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地元のコミュニティハブになるために。〈August〉が“マディソン”にお店を開いた理由 編集部Yのアメリカ通信 #4

毎年、年末年始はアメリカに滞在する編集部YがInstagramで見つけた、アメリカのローカルなお店やブランドをメールインタビューで深堀り! #4はウィスコンシン州マディソンのセレクトショップ〈August(オーガスト)〉。

アメリカ中西部にあるウィスコンシン州の州都マディソンはNYやLAと比べると、決してアパレルショップが多いとは言えないエリア。この場所をあえて選んだ理由や、お店のコミュニティについてオーナーのロブ・ボーハン氏に話を伺いしました。


Rob Bowhan(ロブ・ボーハン)
ウィスコンシン州マディソンにあるセレクトショップ Augustのオーナー。ウィスコンシン州マディソン生まれ。学生時代から音楽イベントのボランティアや、ヒップホップ・ジェネレーションと呼ばれるグループの役員を務めるなど、イベント企画を積極的に行っていた。

ーまずはロブについて教えてください!

僕はウィスコンシン州マディソンで生まれ育ちで、ウィスコンシン大学マディソン校の卒業生です。大学卒業後はすぐにフランスに移り、スイスのジュネーブで経営学の修士号を取得しました。最初の就職はエジプトのアレキサンドリアにあるアパレル製造会社。アメリカ代理店担当して採用され、3ヶ月間エジプトに渡り、その期間にアレキサンドリアとカイロにいくつかの小売店をオープンするのを手伝いました。

その後はニューヨークに移り、7年間〈EDWIN〉から〈PUMA〉までのブランドを統括するブランドマネジメントと卸の仕事をしていて、2013年に妻と出会い、妻が医療研修医になるため、デトロイトに移住したんです。そこでは中規模の専門チェーンのアパレルバイヤーとして働いていました。

そして、2017年8月にマディソンに引っ越し、同年10月28日にAugustをオープンしました。僕はファッション業界で14年の経験があり、販売戦略からブランド管理、マーケティング、バイイング、小売オペレーション管理まで全てを理解しています。これらのスキルを持ちつつ、ストリートウェアとスニーカーを取り扱うショップが少ないマディソンという都市に移り住んだことで、マディソンの文化的景観を進化させるという長年のビジョンを実現する絶好のタイミングを得たと思っています。

ーAugustはどんなお店ですか?

Augustは、マディソンの先見性、教育、アートの深い伝統に敬意を表したマルチな小売スペースです。ストリートウェアとスニーカーに主眼を置いていますが、希少なブランドへのアクセスを提供しながら、アイデア、アート、ファッション、社会問題を共有するために、コミュニティすべてのメンバーを歓迎することが義務だと思っています。

AUGUST DEFINITION:尊敬や称賛の念を抱かせること、最高の威厳や壮大さ、荘厳さ。

通常の小売スペースとしてだけでなく、August crossというプレフォーミングアート、ビジュアルアート、教育にフォーカスを当てたコミュニティワークショップなどのイベント開催スペースとしての機能もあります。アントレプレナーシップ、政治、アクティビズム、社会問題に至るまで、様々な議論の場を提供しているんです。

Augustが一流のフットウェアとアパレルのブティックとしてだけでなく、コミュニティの文化的支柱として機能し、自分たちが持っていないと感じている人たちにプラットフォームと声を提供することがとても必要だと思いますね。目標は、今後何年にもわたってコミュニティの定番ショップとして有機的に進化していくこと。

ー先ほど言われたように、ウィスコンシン州マディソンはファッションのイメージがあまりないエリアですが、オープンしてから地元の人たちの反応はどうでしたか?

今のところ、街の人たちの反応は素晴らしいです。Augustのオープンに感謝してくれた人や、「このような店がマディソンにオープンするのを心待ちにしていた!」と教えてくれた人がどれだけいることか……。これは言葉だけでは言い尽くせません。

ーファッションだけでなく、アートや音楽などのコミュニティも大切にしていますよね。これについて詳しく教えていただけますか?

マディソンはミルウォーキーとシカゴの近くに位置し、名門大学の本拠地であり、高等教育を受ける世界中の人々を受け入れる場所でもあるんです。だからこそ、時事的なイベントやファッション、アートを中心としたイベントを主催したり、スポンサーになったりするとき、パートナーとなるクリエーターにアクセスしやすい。

そういう背景もあり、ライブミュージック、DJセット、アートショー、写真イベント、ファッションショーなど、コミュニティアートセッションを中心としたインストアイベントを月に数回開催しています。

店頭で行っているイベントの様子

また、Overture、Orpheum、MMoCA、Unionなどのアート、教育、音楽の会場を自由に利用できるのも良いところ。そこで地元のアーティスト、DJ、ミュージシャンと協力してイベントを開催し、Augustの代名詞となるようなマルチな文化体験を提供して、ブランド・アイデンティティを体現するようなパートナーシップを築けています。

ーそれにしてもイベントが多彩ですよね。他にもウェブサイトで定期的にミックステープを公開しているなど、カルチャーを強く感じます。

毎月、美術展で地元のアーティストをサポートするアートギャラリー「AUGUST ART COLLECTIVE」、教育にフォーカスを当てたコミュニティワークショップ「THE AUGUST SALON」、マディソン大学やマディソンカレッジとの取り組みなど、さまざまなプロジェクトを始めています。

また、ウェブサイトで公開している「AUGUST AUX」は、スタッフやマディソン、NYC、LA、海外のDJ達が作ったミックス。Sound Cloud、Spotifyの両方でキュレーションしています。

ーここからはセレクトについて教えてください。Augustはメジャーでグローバルなストリートブランドから、インディペンデントなローカルブランドまで幅広くセレクトしています。これらを選ぶときに重視していることはなんですか?

セレクトは何よりバランスです。例えば、〈NIKE〉や〈stussy〉のような世界的に広く知られているブランドがある一方で、〈Book Works〉や〈Kids Of Immigrants〉など新進気鋭のブランドも取り扱う。ストーリーを伝え、セレクトブランドがお互いを褒め合い、Augustが持つ価値観を共有できるようにすることが大切ですね。

それと同時にユニークなショッピング・デスティネーションとしての地位を確立するために、他のセレクトショップではあまり売っていないような珍しいブランドも探していますよ。

ーいま注目しているブランドやアーティストはいますか?

注目しているのは、〈Andrew〉や〈CENTRAL BOOKINGS INTL.〉のように、スケートウェアとストリートウェアを掛け合わせたブランドです。あと、僕たちは常に取り扱っているブランドの“多様性”をサポートしてきたけど、今後はPOCが所有・運営するブランドをもっと増やしていきたい。例えば、〈Bricks & Wood〉、〈Hermanos Koumori〉、〈River Is Wild〉のようなブランド。

ーオリジナルアイテムもクールです。これらはどうやって企画していますか?

ブランドコンセプトは、アートや教育、ウィスコンシン州の環境を中心にしたもの。クリエイティブの方向がその美学をしっかり包み込めているかを確認するために、細心の注意を払って作っています。

オリジナルではいつも新進気鋭のグラフィックデザイナーを起用。「彼らの名前を世に出すだけでなく、技術を収益化する方法を理解してもらうための学習プラットフォームとしての役割もあります」

ー現在でもさまざまな活動を行っていますが、今後の目標はありますか?

次の目標は、店内でより多くのパフォーマンスやビジュアルアートのイベントを開催し、マディソンのクリエイティブなコミュニティを教育・育成することにフォーカスしたスペースを開くこと。

また、マディソン大学との関係を強め、ブランドパートナーと提携して、教育プロセスの支援プロジェクトを作ることも計画中です。あと、ウィスコンシン州や中西部の他の州にも2店舗目をオープンしたいですね。

Info
August
住所:414 State St. Madison, WI 53703
営業時間:Winter Hours in Effect Temporarily, Monday – Friday: 12 PM – 5PM, Saturday: 12 PM – 6 PM, Sunday: 12 PM – 4PM
website:https://august-shop.com/
Instagram:@_augustshop

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