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【2021年】今年セレクトして良かったモノ〜代々木上原LILY 加藤宏輔〜

2021年も残りわずか。今年も振り返りシーズンの到来です。ことセレクトショップに関しては、みんな気になるのが(?)、店主の考える今年のベストセレクト! 今回は代々木上原『LILY』の加藤宏輔さんにベストセレクトを聞きました。


加藤 宏輔(LILY 店主)
閑静な代々木上原に位置しながら、アメリカのカルチャーを強く感じさせる独自のセレクトに定評がある「LILY」。ちなみに大の映画好きでもある加藤さんの2021年のベストムービーはスパイク・リー監督の「アメリカン・ユートピア」。元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンによる同名のアルバムの舞台を映画化した一作が最高だったそう。


■2021年のセレクトを振り返って

自分自身がいいと思えるアイテムかどうか、あとはスタイリングがイメージできるかどうかを重視してセレクトしていた気がします。今流行っている服をただ置いているだけだと、お客さんにとってお店に来るドキドキ感ってあまりないじゃないですか。トレンドよりも、僕自身が本当に好きかどうかという部分は特に意識していましたね。コロナ禍になってから、その思いはより強くなりました。

その中でも、アメリカ西海岸のオルタナ系ロックとか、そういう感じが僕はやっぱり好きだなというのを自分で再確認した年でしたね。もう思い切ってその匂いをより強く出していこうと(笑)。あと、僕は男臭いミリタリーやコレクションブランド、古着などを問わず、アメリカのカルチャーそのものを感じられる服が幅広く好きなんです。そんな雑食性は今年のお店のセレクトにもやっぱり反映されていたんじゃないかな。


マイベストセレクト_01
LONDON TRADITIONのオーバーコート

まず今年は久々にウールのコートを着たい気分がありました。うちもECWACSなどのミリタリー系のアウターを冬になるとセレクトしますけど、ダウンや中綿のアウターはみんなそろそろ飽きてきたんじゃないかなと。とはいえ、いわゆるPコートやダッフルコートのウールの生地って、結構がっしりしてるじゃないですか。僕自身が着たいと思えるものはなかなか見つからなかった。そんな中、これはふわっとした軽いウール生地で、すごく着やすい一着ですね。元々ダッフルコートなどで有名なイギリスのブランドなので、イメージはすごくかちっとしているんですけど。あとはフロントのボタンをあえて省いている、このゆるい感じがすごくいい。映画の「ビッグ・リボウスキ」でジェフブリッジス扮するデュードが薄いガウンを羽織っているあのイメージで着てほしいですね(笑)。


マイベストセレクト_02
NOMA t.d.のツイストスリーダイスウェット

今年お客さんから一番反応がよかったブランドは何と言っても〈ノーマティーディー(NOMA t.d.)〉。うちではもう7年くらい取り扱っているブランドです。特に好評だったのがスウェット類。首元の汗止めや縫製部分のねじれのデザインが特徴的で、職人さんがすべて手染めで製作しています。シーズンごとに色味や染めの手法は違うのですが、今年の春夏のこれはすごくよかった。職人さんが一点一点刷毛で染めていて、その後に一度ブリーチして色を落としたりと、すごく手間がかかっている一着です。これとは違う柄でリリースされた秋冬のスウェットもお店では好評だったのですが、僕個人としては、春夏のこっちの柄のほうが好きなんですよね。


マイベストセレクト_03
niche.のフラワーカットネルシャツ


〈ニッチ(Niche.)〉を扱い始めたのは今年からです。微妙に違うチェック柄の生地を2枚重ねたボンディング仕様のネルシャツですね。上の生地を花の形にカットした後に手刺繍しているので、下地のチェック柄が浮かんでくる見え方になっています。90年代リバイバルの流れの中で、これまではいわゆるヒップホップ的なビッグサイズの格好が多かったと思うのですが、うちの店として気になるのはオルタナロック界隈のアーティストのスタイルのほう。赤いチェックのネルシャツ自体はニルヴァーナ、パールジャム、あとは初期のレッチリが着ていそうなイメージですが、レギュラー古着の赤いネルシャツをそのまま着ちゃうと、彼らの完コピになってしまうじゃないですか。もう少しファッション的におもしろく着るとなると、こういうアレンジがされているほうが今っぽいですよね。よりグランジしているというか、パンクロックしている感じにも見えるし、我ながらいいセレクトだったと思います(笑)。


■2021年の売り場を振り返って

まあ、ベタなブランドロゴが好きみたいなお客さんはうちには来ませんね(笑)。代々木上原の街自体はお金持ちの方が多いですし、ブランド好きな方も多い印象ありますけど。うちのお客さんは僕に似てアメリカの音楽や映画が好きな方が多い気がします。結局自分の好きなものばかりをバイイングしているので、似た感性の方が自然に集まってくるのかも(笑)。

大きな世の流れで言えば、なんだか価値観が変わっていく気がしています。周りを気にせず、自分が好きなものを着るという流れは今後より強まっていくんじゃないかな。ブランドものを選んでおしゃれに見られたいとか、僕はこれくらいのブランドものを着てますみたいなアピールが今後はそんなに大事なことじゃなくなっていくというか。人と違うほうがかっこいいというのはファッションの面白さのひとつだと思うので、うちは来年も濃いセレクトをしていきたいですね。


■来年のお店について

お店オリジナルのリメイクアイテムをたまに作るのですが、ひとつのブランドとしてもっと本腰入れて展開したいです。「こういうアイテムあったらいいのにな」と自分が思い描くものを展示会で仕入れるアイテムだけではまかないきれなくなってきたんですよね。リメイクのアイテムって完全じゃないからいいんですよ。ちょっと不完全というか、いびつな感じというかね。

リメイクのアイテムを新品だけのコーディネートに一品混ぜると「これ、サイズ感がちょっと変だね」みたいな感じになるんですが、僕にとっては逆にそれで全身のバランスがすごくよくなるように思えるんです。リメイクにはそういう面白さがあるので、来年はLILYオリジナルのリメイクアイテムをもっと提案していきたいですね。


LILY
住所:東京都渋谷区西原3-20-13
電話:03-5738-8042
営業時間:12:00 – 20:00(短縮営業中)
定休日:水曜日
ショップページ

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