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FEATURE

本家の復刻ジーンズ『リーバイス ビンテージ クロージング(LVC)』の魅力って?

アメカジ復権と共に盛り上がりを見せているのがジーンズです。中でも一番人気はやはりリーバイス。古着ブームも相まって古着やヴィンテージに目が行きがちですが、いざ探してみるとマイサイズ、マイレングスの一本はなかなか見つかりません(古着の裾上げはしたくない!)。

最近は「新品で探す方がいいのでは?」なんて結論にたどり着き、改めてLEVI’S VINTAGE CLOTHING(以下LVC)が気になるようになりました。そこで今回は店頭でLVCを取り扱い、自身も愛用しているというHUNKY DORYの店長・塚本さんにZoomインタビュー。愛用者かつショップ目線から見た、LVCの魅力について存分に語っていただきました。


塚本康博さん(HUNKY DORY OSAKA)
大阪・南堀江で良質なアメカジを提案するセレクトショップ『HUNKY DORY』大阪店の店長。43歳。お店のブログに自身の購入したLVCの記録を書き綴っている。


初めて買ったヴィンテージジーンズは「ボロボロの501XX」

ーまずは塚本さんとリーバイスの出合いについてお聞きしたいです。

出合いは遅いんですよ。中高は部活に打ち込んでたから、ファッションに目覚めたのは高校2年くらいかな。当時はモード系やフェミ男系が流行っていて周りもMEN’S NON-NO系だったんですが自分には合わなくて(笑)。それで本屋で雑誌BOONを見つけた時は衝撃を受けましたね。夢中で読み漁ってそれこそ本当に擦り切れるくらいに(笑)。

でも、当時はリーバイスが田舎には売ってる店が無くて、それで通販でリーバイスの日本製702を買ったのが最初でした。当時はレプリカブームで501や503を穿いてる人が多かったので、702に付いてたバックシンチが気に入って702を選びました。完全に見た目です(笑)

━初めて501を買ったのはいつ頃になるんですか?

高校卒業して、大阪に出てからですね。当時は空前のヴィンテージブーム、アメ村には古着屋さんしかないんじゃないか?ってくらい古着屋が多かったんです。どこに行ってもリーバイス501が置いてるから必然的に目がとまるし、「501穿かないと」みたいな空気もありましたね(笑)。一番最初に買ったのは、今また人気が出てるブラックの501でした。

ー過去の企画で拝見しましたが、塚本さんはヴィンテージもお持ちでしたよね。それもこの頃に買ったものですか?

ヴィンテージは古着屋でバイトしている時の悪友にボロボロの501XXを10万円で買わないかって言われた時が最初ですね。当時はそれほど知識も無かったし、5万円ずつ分割で良いっていう甘い誘いに負けて買ったのが最初です。まあ自分の中では完全な黒歴史です(笑)。その後、いまのお店に入社してから初めてのアメリカ買い付けで、ローズボールフリーマーケットに行ったんですよ。ちょうどお店をリニューアルするタイミングでお店に置くアンティークの什器等を見に行ったんですけど、終わりにフリータイムをもらって66シングル(66前期)を45ドルで買いました。ヴィンテージブームが終焉してたので安かったですね。

ーローズボールでヴィンテージ……! 今はヴィンテージも高くなって、手が届きにくくなっていますよね。

今じゃ気軽に買えませんね(笑)。なので、僕の中でもヴィンテージは年に数回ここぞというタイミングで穿くものになってますね。ヴィンテージは全部で3本持ってるんですけど、一番好きなのは501のBIG E。66ほど細くはないけど、501XXよりはスッキリしててシルエットも綺麗だし、年代もそれなりにヴィンテージで自慢にもなるし、BIG Eって全体的にちょうどいいんですよ(笑)


アメリカ製じゃなくなってからのLVC

塚本さんのブログをきっかけに再びLVC良いな〜と思い始めたんです。最近は見る機会も減っていたのでちょっと新鮮だったというか。

アメリカ製が終わったことで少し熱が冷めた方も多いと思います。アメリカ製が終わるってなった時は駆け込み需要でめちゃくちゃ売れたんですけど、完全に在庫が無くなると距離を置く人も出てきたんじゃないかと。今でも稀に「アメリカ製じゃないの?」と言われることはありますが、そこは一つのターニングポイントだったと思います。

ーブログに記録されている分も含めて、かなり所有されてますよね?

ブログに記録していくうちに増えていって、全部で7〜8本あります。1947年、1955年、1954年、1944年の大戦モデル、1966年は持ってますね。そのときの気分でレングスを調整しているから買い直したくなることもあって、1947年だけはジャストサイズ、サイズアップ、色落ち加工で3本持ってます。

ーお店で取り扱いが始まったのは、アメリカ製が終わるくらいのときでしたっけ?

当店で取り扱いをスタートしたのが2018年からです。オーダーは前の年に行っているので、まさか取り扱う前にホワイトオーク工場が閉鎖するとは思ってもいませんでした(笑)。当店では海外買い付けも少しやっていて、RRLのジーンズは特に人気あるんです。ただ海外買い付けだと入荷が安定しないから、お店で継続して提案できる定番的なデニムブランドが欲しいなって思っていて。そのときは自分自身のRRLの熱が少しおさまって、一周回って「リーバイスが良いな」って思う時期だったし、個人的にもよく穿いてたんでLVCを仕入れられるように動きました。最初はアメリカから並行輸入で仕入れてたんですけど、現在では国内正規で取り扱わせてもらっています。

ー塚本さんから見て、LVCはどんなブランドでしょう?

いわゆるヴィンテージの復刻なんですが、ひとつのブランド化したジーンズのイメージです。ラルフローレンで言うRRLのような感じというか。ヴィンテージにはヴィンテージにしかない雰囲気があって、デニムの生地もそうですし、インディゴの色落ちの感じとかも、こればっかりはいくら復刻であっても完全に再現するのは難しいと思うんです。ただ、ヴィンテージのジーンズって生地が弱ってたり、もちろん高価なのもあって、気軽に穿けるものではない。それに対して、LVCはそんなヴィンテージのディテールを真っ新の状態で買えて、気兼ねなくデイリーに楽しめる本家の復刻ジーンズ。細部のディテールまで完璧にというわけにはいきませんが、それでも当時の雰囲気を少しでも楽しんでもらえたらと思っています。

ー先ほども話に出ましたが、LVCは数年前にアメリカ製が終了し、生地はコーンミルスからカイハラに、生産はトルコ(一部モデルは日本製)に移行しました。アメリカ製じゃなくなってからは何か変化はありましたか?

これは聞いた話になんですが、アメリカ製のときはディテールや年代の復刻がメインで、デニムの生地自体は近い年代だと同じものを使っていたみたいなんです。でも、2018年にカイハラがデニムのサプライヤーになってからは、年代に応じたインディゴの色味を再現する努力をされているそうで、日本の生地メーカーが取り組む姿勢が感じられるようになったのは嬉しいですね。

ー「アメリカ製が終了してしまった」というと昔からのアメカジ好きにはデメリットのように捉えられがちですが、決してそうではないと。

「LVC=アメリカ製」という絶対的なタッグが終わってしまったのは残念ですが、そこに日本人の技術が加わったという点は僕の中でメリットが大きいです。というのも、カイハラに変わってから生地の縮率が安定したことが一番ですね。アメリカ製とカイハラのLVCはどっちも持ってるんですけど、アメリカ製はモデルによって縮みにバラつきがあって安定していませんでしたが、カイハラはどのモデルも縮みが安定している。この部分はLVCの購入を検討されている方にとってサイズが選びやすくなったと思います。

ーそれは大きなメリットですね。製造国に関してはどうでしょう?

僕自身はトルコとかブルガリアがダメって思ってないんですよ。むしろ、ヨーロッパの縫製工場だったらトルコ、ブルガリアは有名ですしね。それこそ欧米の一流ブランドのダウンやオイルドジャケットでさえもブルガリア製。近年人気のユーロリーバイスでも昔からトルコ製があるので嫌な感じはしないです。ただ、「MADE IN USA」の響きは自分の世代にとっては絶対的な魅力があって、縫製が雑だろうがサイズにバラつきがあろうが「MADE IN USA」ってだけで購買欲が刺激されていただけに残念ではあります。


店頭一番人気は「1947年」の501XX

ーLVCではさまざまな年代のモデルが復刻されていますが、特にお店で人気が高いモデルってあるんですか?

当店で人気が高いのは1947年と1955年です。一番人気は1947年、2番人気が1955年。その次くらいに1954年(501ZXX)ですね。

ーLVC初心者なので各年代についてもお聞きしたいです。一番人気の1947年はどういうモデルでしょうか?

簡単に言えば第二次世界大戦後のモデルです。オリジナルのヴィンテージでも1947年モデルって「史上最高のモデル」、「501の最終形」って言われているくらい完成度が高いんですよ。この当時のリーバイスはまだワークウェアとして認知されていたんですけど、サスペンダーボタンやシンチバック等、ワークウェアのディテールが全部なくなって、より一般的に穿きやすいモデルになった。でも、シルエットにはまだワークウェアの名残りがあるんで、ワークウェアからファッションアイテムへ変貌し始める輝かしい未来へ向けたジーンズという感じです。

5ポケットジーンズの完成形とも呼ばれる「1947年」の501XX。第二次世界大戦後に発売されたモデルで、1930年代モデルと大戦モデルの特徴を兼ね合わせたハイブリッドなスタイルが特徴。シンチバックやサスペンダーボタンなどのディテールを簡略化し、シルエットもよりスリムなフィットに変更。

ー「501の最終形」という響き、カッコいいです(笑)

オリジナルのヴィンテージは人気で価格も高騰してますね。あと、1947年に関してはポケット横のサイドステッチが長いんです。だから知っている人が見たら一発で分かるモデルっていうのも、人気のポイントかなと思います。

ー初めてLVCを買うなら1947年がオススメ?

LVCが気になるけど欲しいモデルは決まっていないって人にはオススメしてますね。シルエットは全体的に細身のストレートなんですけど、バランスがすごく良いんです。本当にどんな体型の方にもハマります。ただ、オリジナルのシルエットはそんなことないんですけどね(笑)。当時映画フィルムのスターたちが501のシルエットを細くリサイズして穿いてたみたいです。なのでその時代背景を汲んで、1947年の501だけは全体的に細いシルエットにしてるみたいです。

ーLVCは全てを忠実に復刻してるのかなと思っていたんですが、そこは時代背景も汲んだデザインにしているんですね。

あと、もう一つのオススメの理由は、どのモデルに対しても基本になるシルエットなんです。ジャストサイズで買っていただくと、次に太めが欲しい、細めが欲しいってなったときの軸になってくれるんですよね。


太めなら「1955年」の501XX、細めなら「1954年」の501ZXX

ー2番人気の1955年はどんなモデルですか?

1955年はちょっと太めのシルエットで、ここ数年で人気が高まってきたモデルです。50年代のモデルに関しては表面が毛羽立つようなキバタデニムを使用しており、他の年代に比べてどす黒い色落ちをするんです。デニム生地も少し厚手で、この年代がいわゆるヴィンテージジーンズのレプリカの醍醐味を一番感じられますね。

「XX=エクストラエクシード表記」が終了する1966年までの「XXジーンズの最終形」としてヴィンテージ市場でも人気が高い1955年モデル。クラシックな1950年代のバイカースタイルを代表するジーンズでもある。あえて身体にフィットさせないアンチ・フィットで、股上が深く腰回りはゆったり。

ー太めのシルエットはトレンドだし、人気が出るのも分かります。もちろんヴィンテージでも人気のモデルだとは思いますが。

最近は501をちょっと太めで穿きたいという人も多いですしね。そういう人に1955年はドンズバでハマる感じです。で、それと対極にあるのが1954年ですね。

ー1955年と1954年が対極なんですか?

まずモデルの説明をすると、1954年は初めてのジッパーフライモデルなんです。ちょうどリーバイスが西海岸から東海岸に販路を広げるときに、ジーンズをまだ知らない東海岸の人に馴染みやすいようにボタンフライからジッパーフロントに変更したと言われています。ただ、この頃はまだ縮率デニム(リジッドから洗うと縮むデニム)を使っていたから、洗濯するとジッパーが歪んでしまって上げづらい。だから数年後に防縮デニムを使った551Zが発売され、後の505へと続いていきます。

ー東海岸進出のときにジッパーフライを採用したというのは有名な話ですよね。

で、何が対極かというとシルエットです。テーパードが効いてて、たぶん今展開している501品番の中で一番細い。66とかよりも全然細身で、股上もわりかしスッキリしてます。特にジャストレングスやくるぶし丈で穿く人には良いかなと。生地は1955年と同じ、少し厚手の毛羽立ちのあるキバタデニム。ヴィンテージ感のある生地を味わいつつ、今にハマるようなちょっと細身のシルエットが欲しい方にオススメです。

アメリカ西部のみで販売していたリーバイス社が、初めてアメリカ東部へ販売領域を広げたときにリリースした記念すべきモデル。東海岸では馴染みの薄いボタンフライからジッパーフライに変更し、初のテーパードシルエットが採用された。ややハイウエストな腰回りでシルエットは501シリーズの中でもかなり細身。

ー基準となるのは1947年、そこから太く穿きたいなら1955年、細く穿きたいなら1954年ということですね。サイズに関してはどうでしょう?

1947年はまだワークウェアの名残りがあるので股上はやや深め、1954年と1955年はやや浅く、それぞれでウエスト位置が異なるのでサイズ選びも若干前後する場合があります。ただ、ほとんどの方はまずジャストサイズに合わせて購入されます。3万円のジーンズって高くはないけど安くもない、ちょっと良いジーンズみたいな感じじゃないですか? だから、「高級なレザーシューズを買うような感覚」に近いのかなと思います。良い革靴を買う場合はまずジャストサイズに合わせていくじゃないですか。そんな感覚で選んでもらえればといいかなと。

ジャストサイズの1947年モデルに、BDシャツを合わせたスタイル。タイトなシャツを合わせてしまうと時代遅れ感が出るため、シャツは今のサイズ感で選ぶべし。/ シャツ(マニュアルアルファベット)、ジーンズ(リーバイスビンテージクロージング)、キャップ(クーパーズタウン)、スニーカー(私物のコンバース)

ーなるほどです。ちなみに、この時期だとどういうスタイリングで着ますか?

白シャツと合わせるのがオススメです。白シャツにジーンズの組み合わせは春にしか楽しめない、春でこそ成り立つスタイルだと思うんですよ。最近はシャツをタックインしてジーンズでバシッと着ようかなという気分にもなってますね。で、足元はコンバース。もちろん、ローファー、短靴とかでも全然良いんですけどね。

白シャツ×ジーンズはミリタリーとも好相性。こちらは前述のスタイルの上からBDUシャツを羽織ったスタイル。BDUシャツはVネックにリメイクされているため、カーディガン感覚で着られるそう。/ シャツジャケット(ロスコ)


LVCは必ずフィッティングして買うべし!

ー最後にフィッティングについてお聞きしたいです。基本的にリジッドのジーンズを買う場合は縮みを考慮しないといけないですよね。

縮率に関しては洗い方によって変わりますね。僕はリジッドのジーンズも普通に洗濯機で洗っちゃうんですけど、その場合はほぼ2インチ、大体ウエストで5〜6cm、レングスで7〜8cm前後くらいは確実に縮みます。

ー新品と洗濯後のビフォーアフターに関しては塚本さんのブログにも分かりやすく記録されていますよね。

ブログにはお店で取り扱っている年代のモデルを自分で実際に洗濯して記録を残してます。昔からコインランドリーの乾燥機で生地を縮めて……とかはやってたんで、個人的にも楽しいんですよね。実際にブログを見て、店頭に来店してくださる方もいますし。僕も実体験なんで細かく話せるし、お客様の中には「直営店で説明されるよりも納得できる」と言ってくださる方もいてやってて良かったなと思います(笑)

塚本さんがブログにて記録しているビフォーアフター写真。比較を見ると洗濯後は大きく縮むことが分かる。

ー実体験ベースの接客を受けると「このスタッフさん、信頼できるな」って思いますよね。

あと、僕はディテールよりも時代背景のほうが好きなんで、「この時代だからこういうジーンズが生まれるんだ」みたいな話をしたりするんですけど、そういうのも気に入ってもらえているのかなと。

ーまとめると、関西でLVCが欲しい人はぜひHUNKY DORYへ行けばいいってことですね(笑)

ただ、僕はLVCの接客に関してはすごく時間がかかりますよ。余計な話が増えるんで試着してサイズ選んでレジに行くまでに最低1時間くらいはみといてください(笑)


記事掲載アイテム

〈LEVI’S VINTAGE CLOTHING〉1947 501XX JEANS – RIGID ¥30,800
〈LEVI’S VINTAGE CLOTHING〉1955 501XX JEANS ¥30,800
〈LEVI’S VINTAGE CLOTHING〉1954 501ZXX JEANS ¥30,800
HUNKY DORY OSAKA 〒550-0015
大阪府大阪市西区南堀江1-20-20アンシャンテ南堀江1F
営業時間:12:00 ~ 19:00 電話番号:0665318033

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