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【interview】納得できるアイテムと独特なカラーのミックス感 代々木上原のセレクトショップ「JOHN」
水色の外観が印象的なセレクトショップ「JOHN(ジョン)」。代々木上原と代々木八幡の中間で、閑静な住宅街にありながら、独自のセレクトに共感するファンが足しげく通う。今回は、そんなショップのオーナーである檀上さんにお話を伺った。
─ ロンドンで感じたミックス感
店名のジョンは、ロンドンの公共物に使われるフォント「ジョンストン」から。以前勤めた会社でイギリスブランドに触れ、興味を持ち始めたというロンドンは、買い付けに行く度に刺激を受けて来た。伝統も大事にしながら新しいものも生み出す、そのミックス感が独特で、ファッションで言えば、スケーターがローファーを履いてスケートしていたり、カッコいいものも、変なものもミックスして共存しているところがイギリスらしさだという。
店内には、国内外のブランドに加え、イギリスで買い付ける雑貨や小物、アンティークが並び、服のお店らしいお店というよりも、洋服があるから服屋なんだという空気感を大事にしている。
─ コンセプトは設けず、納得できる好きなもの
自分が着たいものをセレクトしているというアイテムは、売るためでもなく、流行を追うのでもなく、素直に納得できるものを厳選している。
以前やっていた恵比寿でのセレクトショップ時代は、どちらかというと斬新で、いかに新しいスタイルを提案できるかに挑戦していた。そこでは自分が着ないものも多く、どこか違和感があったという。そこで、ここでは真逆のことをやろうと、コンセプトもなく、好きなものだけを置くお店に。作りが確かな事に加え、最終的には自分が着るかどうか。多くの服に触れてきた檀上さんだからこそのブレない価値観が垣間見える。
─ 曖昧だけど良い、そんな色味が並ぶ
そんなセレクトにより並んだアイテムは、グレー、ベージュ、ネイビーをメインに、ホワイト、ブラックが加わる独特のカラーパレット。”色の中でも綺麗で曖昧”と表現するこれらは、派手さもなく、他の色とも難なく組み合わせることができる。
ブラック、ネイビーのような、カチッと決まる色ではなく、グレーやベージュなど、はっきりしていなくてもなんかいい。そんな落ち着いたトーンが好きというのは、曇りが多いと言われるロンドンの色味が映っているようにも感じられる。
─ アイテムピックアップ
COMOLI – Tielocken coat
トレンチコートの原型とされる通称 “タイロッケンコート”。ナッピング加工により毛羽立ちされたウールの裏地がアクセントに。
BERTHOLD – Long coat
イギリス・ロンドン発の新鋭ブランド 「BERTHOLD」。デザイン・シルエットが独特でモードなニュアンス。レザーコードのディテールも特徴的。
自分が着るかどうかというバイイングは、何が良いのか、どこが気になったのかを全て正直に伝えることに繋がっている。また檀上さんが実際に着ている服も多く、前シーズンとの比較や、素材の経年変化などリアルな情報も嬉しいところ。駅前から少し外れたこのエリアは、あまり人通りも多くなく、ゆっくりと服を見たい人にとって理想の空間といえる。
JOHN
東京都渋谷区元代々木町18-8
TEL. 03-6407-0177 OPEN.12:00-20:00(定休日.水曜日)
ONLINESHOP / Instagram
Text,Photo.Koichi Kondo