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【interview】ニュートラルにモードを捉える 代官山のセレクトショップ「KIKUNOBU TOKYO」
代官山の駅前から離れ、渋谷方面に向かう閑静なエリアに「KIKUNOBU TOKYO(キクノブ トウキョウ)」がある。
島根・大阪に継ぐ3店舗目で、関東初となる同店。渋谷駅・新南口から徒歩5分、代官山駅から徒歩10分という、決して便利ではない立地ながら、その個性に惹かれるファンが足しげく通う。今回はショップのオーナーである藤田さんにお話を伺った。
─ ニュートラルにKIKUNOBUらしいスタイリングを提案
コンセプトは「ニュートラル」。ハイファッション・モードスタイルからストリート・スケーターまで幅広いアイテムを揃え、KIKUNOBUのフィルターに通したスタイルを提案する。
ジャンルに関係なく、スタイリングで見せていくというポリシーは、ウェブで多く展開されるスナップに体現されている。サイズ感、レイヤードのテクニック、モードにダルさを加えた空気感はまさに“KIKUNOBUらしい”ニュアンスが満載だ。
─ ポイントは20%のハズし
センスのいいスタイリングとは何か。以前は明確だったストリートモードというジャンルが曖昧となった今では、その答えはよりパーソナルに、その人らしさが重要になっている。
海外に行くことが多い藤田さんは、特にニューヨークから影響を受け、服に着られないようなスタイル、さらっと適当に着ていてもかっこいい感じを追求しているという。
そんなKIKUNOBUが重視するのは、80%ぐらいのカッコ良さで、20%はハズすということ。モードの中でハズせる部分を見出し、ブランドのルック通りではないオリジナリティを常に作り続けている。
─ 秋冬のおすすめはワントーン
秋冬はワントーンのスタイルを提案。定番のホワイト・ブラックに加えて、ベージュやグレー、アースカラーなど主張しすぎない色味で、上品にまとめるのがおすすめだ。
純粋に置きたいと思うものをセレクトするという、単純明快なアイテム展開は、そんな気分を直に写している。また作り手でもある藤田さんだからこそ、生地、ディテール、縫いの精度、そして見合ったプライスかという厳しい目を超えていることは加えておきたい。
─ アイテムピックアップ
BED J.W FORD MA-1 SPECIAL ¥36,720(tax.in)
MA-1をベースに、外装を省いたミニマムなデザイン。生地は光沢感のあるナイロン素材を使用し、脇下部分のみ異素材に。薄手で軽量なため、様々なレイヤードスタイルに活用できる。こちらはKIKUNOBU TOKYOの1周年を記念した別注カラー。
お店にとって要となる“らしさ”。それをこのショップではスタイリングで追求している。単品でカッコイイと感じる服は、得てして着られてしまうことが多いが、20%をハズすというルールで気負いせずに済む。未完成な完成、そんな余白を持った心持ちで街に出れば、新しい出会いや楽しみを見つけられそうだ。
KIKUNOBU TOKYO(キクノブ トウキョウ)
東京都渋谷区代官山町3-3ソミュール代官山102
TEL. 03-6455-0535 OPEN.12:00~20:00
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Text.Koichi Kondo