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【interview】手の温もりが感じられるクラフト感 名古屋・鶴舞のセレクトショップ「panio」
名古屋のショッピングエリア栄・大須から少し離れ、鶴舞と上前津の間にショップを構える「panio(パニオ)」。子連れでも来れるようにという思いから、静かなこのエリアを選んだというお店には、クラフト感溢れるアイテムが並ぶ。今回はオーナーの山田さんにお話を伺った。
─ ブランドとお客様の近い距離感
もともとアメリカブランドを扱うショップにいたという山田さん。子供の出産を機に独立し、奥さんと一緒にこのお店を始めた。店名のパニオは、映画「しあわせのパン」の中で知った、“パンを一緒に食べる仲間”が語源という“カンパニオン”という言葉から。ショップロゴは繋がりをイメージし、グラッフィックデザイナーでもある奥さんが担当。メジャーでなくても良いものをと、ブランドとお客様が近い距離感を保てるお店づくりをしている。
─ 優しさや柔らかさが伝わるアイテム
ショップでは、細かいところまで行き届いたものづくりと、高いクオリティに惹かれ、日本製のアイテムを中心に展開。その背景には、好きなアメカジにも感じる、優しさや柔らかさなど言葉では現せない部分を、手の温もりが感じられるアイテムを通じて伝えたいという思いがある。メンズ・レディースに加え、キッズも扱う同ショップ。お客様は0歳から90歳までいると言うように、日常に溶け込み、共感できるアイテムが世代を超えて支持されている。
─ 楽しさを共有するショップ
もとは託児所だったという店内は、陽の光が差し込む大きな窓に囲まれ、開放感のある雰囲気。自由度が高く、動かすことも可能な什器に、DIYの壁などお店づくり自体も日々楽しみながら更新している。お店は買うだけの場所ではなく、面白さも提供する。「せっかくならゆっくりして欲しいし、こういう変化も楽しんでもらえたら」。その言葉の通り、ちょうど伺った日も、クリスマスに向けエントランスの改修をするところだった。
─ アイテムピックアップ
CLIFF DWELLER – TEST
レザーシューズブランド 「CLIFF DWELLER(クリフ デュエラー)」。短靴タイプのTESTに、vibramのタンクソールを搭載した別注モデル。光沢のあるレザー、履き込むことでできるシワなど、足元の表情を豊かにする一足。
FUNSET OF ART – ウールNORAGIパッチワークマフラー
全面にパッチワーク、刺し子が施された手の込んだマフラー。野良着、ボロをイメージソースに、ウール素材でアップデート。素朴でありながら存在感もあるのでコーディネートのアクセントに。
かつてヨーロッパではパンを共に食べ合うことは、家族であり仲間である証だった。日々の変化を楽しみながら、喜びを共有し噛み締めるお店。作り手と使い手の日常を通じたコミュニケーションは、人の手の温もりを改めて教えてくれる。
panio
愛知県名古屋市中区千代田3-19-12 久野ビル1階 101号
TEL.052-898-4237 OPEN.12 :00~20:00(定休日.不定休)
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Text.Kochi Kondo