FEATURE
【interview】ファッションカルチャーで世界をリンクする 渋谷のセレクトショップ「Time is on」
渋谷のファッションエリア神南の入り口であり、タワーレコードのはす向かいに位置する「Time is on(タイムイズオン)」。大通りに面したこの場所で、1977年から続いてる同ショップ。時にスタイルを作り、またその変遷を見てきたこのお店について、店長のジョンさんにお話を伺った。
・ショップコンセプトは「Being in the big city」
「Being in the big city(大都会にいることとは)」をコンセプトに、ファッションカルチャーが根付く渋谷にあり続けるからこそわかることを、常に新鮮な感覚で発信している。
店内には、ここでしか見られない日本初上陸ブランドが多く並び、また店頭・ブログでは世界中の音楽・映画の話が繰り広げられる。渋谷という都市にいながら狭い視野に捕らわれることなく、ファッションカルチャーを通して世界を感じ、思いを馳せる。価値観を広げ、新しいカルチャーを楽しんでこそ、大都会にいる醍醐味と教えてくれているようだ。
・細かいこだわりがスタイリングに差をつける
シーズンによって提案するスタイリングは変わるものの、モード、クラシック、スポーツを横断し、時にポップなアイテムも取り入れる自由さは、決まり事がない街・渋谷そのもの。一貫しているのは何を着るかでなく、どう着るかというマインドだ。
無理な提案ではなく、今、自分たちが着たい服、やりたいファッションを提案するというポリシーのもと、流行は把握しながらも決して縛られない。ネクタイのノットに付けるえくぼの数、シャツのボタンを敢えて1個ずらすなど、細かく計算されたスタイリングは清潔感をベースにしながらも男の遊び心を覗かせる。
・カルチャーを愛すという生き方
カルチャー愛に満ちたスタッフはそれぞれが個性的。日々更新されるスナップでは、その美学が感じられ、同じアイテムでも全く違うスタイリングを見せる。それは接客はもちろん、バイイングからスナップ撮影まで全て自分たちで作り上げているからこそのこだわりだ。常に新しいもの、面白いものを探す嗅覚は、それがライフスタイルであり、楽しみであるという、ひとつの都会の生き方と言える。
・ブランドピックアップ
オリジナルで定番人気のチェックシャツを、色味・柄ピッチを変えアップデート。ヘリンボーン柄の織りや、優しい手触りの起毛などオリジナルの生地だからこそのクオリティ。小ぶりな襟に細身のシルエットで、前後ろともに隙がない。
オーストラリア発のアイウェアブランド。ハンドクラフトのフレームに、光学専門家による光の屈折、方向、バランスの計算が加えられたアイテムを展開。エッジーなフォルムが印象的で、スタイリングのスパイスとして取り入れたい。
フランスの音楽プロデューサー、DJ JOAKIMによるブランド。レコード会社でもあり、オーナーのJOAKIMを始め各国のアーティストが所属している。グラフィック、カラーリングが目を引くアイテムが多く、世界の名ショップで扱われている。
移り変わりの早い渋谷において、40年弱もの間あり続けることが既に十分な価値を証明しているが、それができるのは、服という概念を超え、マインドに訴えかけるファッションを提供しているからだろう。普段は当たり前過ぎて忘れがちな”大都会にいること”の恩恵をもう一度考えたい。
Time is on(タイムイズオン)
東京都渋谷区1-12-17
TEL.03-3464-8121 OPEN.11:00~20:00
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Text.Koichi Kondo