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意外と知らない。プロが教える「ハンガーの選び方」の基本
気付けば春ももうすぐそこ。冬服たちを眠りにつかせる時期がやってきます。かさばるアウター類やスーツは「ハンガーラックでの保管」が基本ですが、ハンガーの選び方一つで保存状態が大きく変わってくることをご存知でしょうか。
間違えたハンガーを使ってしまうと、お気に入りのアウターやスーツもすぐにヨレヨレに…なんてことにもなりかねません。
今回は、ハンガー製造と販売業を営むハンガー選びのプロ・長塩産業さんに、正しいハンガー選びの基本を教えて頂きました。
長塩産業 代表取締役社長 長塩康正氏
本日はよろしくお願いします。長塩産業さんは昭和22年から約70年ものあいだハンガーを作り続けていらっしゃるそうですね。
はい、現在私で三代目になります。初代の祖父がもともとハンガーのメーカーで働いていて、そのメーカーでハンガーを作っていた事がきっかけになり、1951年から法人としてハンガー製造を営んでいます。
「冬服を型崩れさせない」ハンガーの選び方
そもそも、なぜハンガーを服に合わせて選ぶべきなのでしょうか?
サイズの合っていないハンガーで長い間保管をすると、型崩れを起こしてしまい、いざ着ようとしたときに自分の身体にフィットしなくなってしまったり、服に変なしわが寄ってしまったりすることがあります。
アウターなどの冬服は、実は着る期間よりハンガーにかけている期間の方が長いんですよ。だから、オフシーズンこそ特に気をつけてハンガーを選ぶべきなんです。せっかく良い服を着ていても形が崩れていたら格好付きませんので、オシャレをするならぜひハンガーにもこだわってもらいたいですね。
また、クリーニングを終えた洋服を受け取る際やスーツを買った際、衣類カバーと一緒にプラスチックのハンガーがついてきますよね。それをそのままクローゼットで保管している人がいますが、これもダメです。あくまで一時的な用途で付けられているもので保管用ではありませんので、家に持ち帰った際は必ず専用のハンガーにかけ直す方が良いのです。
やっちゃってるかも…。「NG」なハンガーの選び方
型崩れしないハンガーの選び方を教えてください。
とにかくサイズ選びが一番重要なので、まずは自分の服に合ったハンガーのサイズを知ることが重要です。家に複数ハンガーがあれば、それぞれに服をかけてみて、ちょうど良いサイズのハンガーを見つけるのが良いでしょう。
正しいハンガーの選び方
見て頂きたいのは、肩の部分。服をかけたときに、肩の切り替え部分よりも若干内側にハンガーの先端がくるのがベストサイズです。肩のラインがまっすぐ伸び、肩から袖がすとんと綺麗に落ちているかどうかを確認してください。
NG例1
NG例2
上の写真はハンガーが小さすぎて、肩の位置がずれてしまっています。下の写真は逆にハンガーが大きすぎて、肩からはみ出てしまっていますね。このような状態で長期間保存すると、型崩れが起こります。クリーニングに出せば元どおりになる場合もありますが、手間もお金もかかりますので、最初から型崩れしないハンガーを使う方が良いでしょう。
ベストなハンガーを見つけたら、横幅のサイズを測って頂くことで自分のサイズがわかります。ちなみに、一般的な日本人男性のハンガーサイズは42cm〜45cm程度。自分のサイズが分かったら、以降はそのサイズのハンガーを買うようにすればOKです。
服の型崩れを起こさないようなハンガー選び、まずは自分に合ったハンガーのサイズを見極めることが重要だと言えそうです。
次回は、具体的にスーツやアウターにはどんなハンガーがオススメなのかを教えて頂きます。
取材協力:長塩産業株式会社