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FEATURE

「コンセプトは”シャツとジャケットに合わせるスニーカー”」。話題のブランド『YOAK』の魅力

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東京発、スニーカーブランド『YOAK(ヨーク)』

2015年のスタート以来、自社ECサイトのみでの販売にも関わらず、多くのファッショニスタを唸らせていたスニーカーブランド『YOAK』。実店舗での販売を求める声が高まり続ける中、昨年の12月、ついに伊勢丹でのポップアップショップをスタート。

それを契機に、今年2月から全国のセレクトショップでもアイテムを展開。そんな今注目度の高い『YOAK』の魅力をデザイナー目線とショップ目線の双方から紐解くべく、今回は同ブランドディレクターの広本 敦さん(写真奥)と、横浜・仲町台のセレクトショップ Euphonica 店長の井本 征志さん(写真手前)をお迎え。お二人に魅力を存分に語り合っていただきました。


追求するのは、”意味のある”プロダクト

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編集部 はじめに、YOAKのコンセプトから教えてください。

広本 敦(以下、広本) コンセプトは「シャツとジャケットに合わせるスニーカー」です。シャツやジャケットに合わせるとなると自然と品質や素材にこだわる必要があって、結局それは日本でしか実現できないんですよね。そんな背景もあって国内で生産しているため、単なる言葉としてではなくその商品を裏付ける意味を持った「メイドインジャパン」なんですよ。

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井本 征志(以下、井本) 「メイドインジャパン」であること自体がいいのではなく、しっかりとした理由があって、結果的にメイドインジャパンになったという部分が必要なんですよね。 日本製に限らないんですが、自国生産を謳っているにも関わらず、実際は上手いことやって大半の工程を海外で行っているブランドも多いんですよ。

広本 素材の調達から貼り合わせまでの工程を日本でやっているので、そういった“フェイク”ではないということはまず言っておきたいですね。

革靴に近い構造と履き心地

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井本 生産は革靴の工場でされているんですよね?

広本 はい、50年以上前から続いているところでやっています。1足1足、手でつりこんでいるんですよ。革靴と同じ作り方ですね。

井本 ヨークの靴はアッパーもライニングもインソールも全部本革。本革は履けば履くほど足に馴染むんですよ。細かいところですけど、ライニングがブタ革なところがいいですね。

広本 ブタ革をインソールに使う場合は途中で切ってしまうのが一般的なのですが、うちは全面にブタ革を張っているので、履き心地も違います。

井本 ブタ革は毛穴が大きくて吸排湿性に優れているんですよね。あとは強靭で柔らかくしなやかっていう、ライニングとしての合理性もあって。足入れ感が独特で、“もふっ”て感じなんですよ。

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“STANLEY”

広本 履くときと脱ぐときは、1日に1回ずつあるじゃないですか。その時に気持ち悪い思いをしないように、足を入れた時の気持ちよさは特に重視しています。

井本 ヨークのスニーカーはもはや革靴なんですよね。 ライニングにブタ革を使うところやソールの縫い方もそう。 オパンケ(※1)の革靴だと捉えてくれるといいと思います。それがスニーカーのフォルムに着地したという感じかな。

広本 ステッチがある部分はソールから剥がれにくいんですよ。このステッチも職人さんがミシンで縫っていて。

井本 あと靴紐もいいんですよ。質感がよくて、ほどけにくい。

広本 それは言っていただけることも多いですね。 全体のバランスも考えて、細身のコットン素材を採用しています。

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広本 あと、YOAKの靴はオールソール(※2)ができるんですよ。ボロボロになってレタッチをしたりするときは、ソールを全部剥がして新しくして、インソールも取り替えています。 ヨークのホームページから「オールソール交換」の項目を選んでいただければ対応できますし、卸先でも受け付けていただけますよ。

井本 それ、ソール交換できるかまさに今聞きたかったんですよ(笑)せっかくいいレザーを使っていて、足に馴染んでくれるわけですから長く履きたいですよね。このデザインだからトレンドに左右されることもないですし。

※1アッパー(甲革)の周りを囲ったソールを、アッパーのサイド(横)から縫い付け、ソールを装着する製法。

※2靴底が経年劣化したり、すり減ったりしたとき、靴底全体を交換すること。

「かっこいいのに買えないのは、ダメ」

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井本 このクオリティでこの価格は安いですよね。

広本 伊勢丹のポップアップショップをきっかけに実店舗で販売するとなった時も、価格が悩みどころでした。卸を挟むとどうしても上がってしまうんですよ。でも、一足4、5万円のスニーカーってそうそう買えないじゃないですか。 せっかくかっこいいのに買えないという人が出てくるのも駄目だと思うので、手に取りやすいギリギリの価格で切り詰めています

井本 もしこのスニーカーが4万円と言って渡されても「そうですか」って受け取ると思います。2万円台、しかも前半ですもんね。それは本当にすごい。

広本 井本さんはいつもお客さんの目線で価格を考えられているように見えます。

井本 いくらであっても適正であるべきとは思っていて、気になるのは“割高”かどうかですね。

替えのきかないシンプルさ

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“ULYSE”

編集部 井本さんがYOAKの靴を取り扱おうと思った理由は何ですか?

井本  とにかく「うちの服に合う」」ことですね。 これが一番大きいです。あと、僕が今履いている「ULYSE(ユリス)」は“◯◯っぽさ”がないんです。 あるものを買えない、その代わりの妥協の品としての靴ではない。そういうところに価値を感じましたね。

広本 嬉しいですね。今は変わったことをしたがる人が重宝される時代かなと思っていて。そこに対してのアンチテーゼのような形で、「シンプルでもかっこいいものはかっこいいでしょ!」っていうアプローチをしているんです。

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井本「〇〇っぽい」って言われやすいように見えて、言わせないデザインというか、そこが絶妙ですね。匿名性があるんですよ。その匿名性が包容力になると言うか、 うちの服に合うっていうのはそういうところですね。これはある意味失礼な表現かもしれないですけど、 主役にならないんです。 「俺が俺が」って出てくるわけじゃない。でも寧ろ、そういうところにデザイン的な魅力があると思いますね。

広本 井本さんだったら、YOAKの靴をどんな場所に履いていきたいですか?

井本 普段は勿論、同窓会や結婚式の二次会ですね。気取って行く必要もないけど大人としてちゃんとしてなきゃいけない、そんな微妙なバランス感覚が必要な時にすごくいい。履くとちょっとだけ背筋が伸びるんです。

Euphonicaから見た『YOAK』

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井本 今回のテーマを覆してしまうようですけど、僕はあんまりブランド主体の売り方はしていないんですよ。お客さんが探しているところに「こんなのあるんですけどどうですか?」って持っていく。ブランドは選択の結果であって世界観を語るのはブランドさんに任せようというスタンスですね。だからショップのブログにもブランドのルックブックや書類通りではなく、自分なりの解釈での説明を書いています。

広本 ブランドで語るのではなく物ありきということですね。実際に買っていただけるのはどのような方ですか?

井本 うちでは「ブログで紹介されたこの靴が気になって来ました」という方に実際に見ていただいて、購入してもらえるケースがほとんどですね。

広本 ブランドとしてもそれは嬉しいですね。先入観なくものだけを見ていいなと思って買ってくれている。

井本 やっぱり物に力があるんですね。僕はそこにおんぶにだっこみたいな感じで(笑)。

広本 いやいや(笑)。そういえば、ユーフォニカさんでうちの靴を買っていただく方はどれくらいの年齢層なんですか?

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井本 基本的には20代くらいですね。ただ、最近では50代で気にしていただける方もいらっしゃって。

広本 かなり広いですね。

井本 うちのお客さんは10代から80代くらいまでいるんですよ。逆に、こういう人に履いて欲しいとか手に取って欲しいとか、想定してる層はいますか?

広本 同い年ぐらいで、シャツやジャケットなどの小奇麗な格好に合わせて、といった感じですね。

井本 うちも同い年くらいの人が買ってくれると予想していたんですが、意外に少ないんですよね(笑)。

広本 分かります。一方で先ほどもおっしゃったように、20代前半くらいの若い子で頑張って買ってくれる子も増えていて。ファッションが好きな子が憧れるというか。

井本 若い子が表層的でない部分で良さを感じてくれるのは嬉しいですよね。あと、うちのお客さんは革靴派も結構いて。そういったスニーカーを履き慣れていない方が挑戦されるときにも、すっと馴染んでくれるのでオススメしています。

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紹介したアイテム:ULYSESTANLEY


YOAK(ヨーク)

東京でクリエイティブ、生産を行うフットウェアブランド。普遍的なものに新しいアプローチを加えたデザインは、ジャケットやシャツに合わせる事を前提に作られている。東京で半世紀以上営む靴ファクトリーにおいて熟練の技を持つ職人の手で作られた靴は最高峰のクオリティ。ちなみに、「YOAK(ヨーク)」とはイギリス王族が持つ公爵位を基にした造語。

http://yoaktokyo.com/

Euphonica(ユーフォニカ)

FACYではお馴染み、横浜・仲町台にある“町の洋品店”。仲町台にあった服を仲町台に住む人たちに提案したいという思いから、「町の洋品店」を心がけている。ベーシックながら独特の視点のセレクトと、店主・井本さんの好奇心を唆られるお話が魅力。お店に行って話していたら、気づけば2時間後なんてことも。

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