FEATURE
“気取らなさ”が良い。『nest Robe CONFECT』が提案する、長く付き合える服。
季節の変わりどきは、迷いどき。
昨年旬だったアウターやニットも、今年着るとどこか物足りない。新調しようにも、毎年数多くのトレンドが提案される今の時代、何を選べばいいのか定まらなかったり。それなら、時代遅れにならない定番アイテムを着こなしてみるのも一つの手。
というわけで今回は、豊かな経年変化と長年付き合えるデザインを特徴とするブランド『nest Robe CONFECT(ネスト ローブ コンフェクト)』の表参道店に直撃。おすすめのコーデやブランドの魅力を、スタッフの新谷さんに教えてもらいました。
新谷 陽平(しんたに ようへい)
nest Robe CONFECTスタッフ。見た目以上に見られがちな33歳。「キメすぎたくない、けど着飾りたいという日にちょうどいいポジションになってくれるのが、nest Robe CONFECTの好きなところですね。」
気取らなさがいい、『nest Robe CONFECT』の魅力。
—まずはブランドやメインファブリックとして打ち出すリネンについてお話を聞ければと思います。アイテムは昭和25年創業の自社工場で作られていると聞いたのですが、これはどういった意味でしょうか?
うちの会社自体は昭和25年にスタートしているんです。もともとは大阪で下着やTシャツといったカットソーの製造を請け負っていて。そんな中で、アジア圏で低コスト生産をする工場に仕事をもっていかれた時期があったんですね。そこでカットソー以外のアイテムも縫えるようにと、縫製設備を増やしたんです。すべてのオリジナルアイテムを自社縫製しているわけではないですが、自社が培ったその製造ノウハウを活かし、協力頂く国内工場と共にものづくりをしています。
—自社でも様々な服を賄えるようにしたんですね。
そうですね。2005年にはレディースブランドとして『nest robe』を、2009年にはメンズ部門の『nest Robe CONFECT』をスタートしました。
—コンセプトにある「自然体」というワードがとてもブランドらしいなと思ったのですが、これはどういった意図でつけられたのでしょうか?
リネンは「品がいい」という見方をする人が多いのですが、実は「馴染みやすい」素材なんですよね。雑に着ても味のある風合いが生まれるし、肩肘張らずに着られるから、普段着に落とし込みやすいんです。それが自然体で着られるポイントですね。
—デザインも気取りすぎず、時代に左右されすぎないことを重視されているように見えます。
ミリタリーやワーク、トラッドといった、これまでのどこのブランドもベースにしてきたメンズ服のデザインに大きなアレンジを加えることはしていないですね。自分たちが服を着ていく上でリアルに必要とする部分や、逆に不要とする部分を注意深く経験から抽出して服に落とし込んでいます。
春夏だけじゃもったいない、リネン素材
—「自然体で着られる」という言葉には着心地の要素も含まれていると思いますが、そちらについては何かこだわりはありますか?
やはり、リネンを使っていることです。リネンって日本の気候にとてもマッチした素材なんですね。暑い時期は熱を放出したり、湿気を飛ばしたりする作用もある。寒い時期も、加工次第では保温性を高めてくれるんです。「リネンは風通しがいい」ってよく聞きますが、それも織り方次第で、高密度に織ればしっかり風も防いでくれるんですよ。
—保温性を高める加工法、というのは例えばどのようなものがありますか?
うちではこの「起毛リネン」がいい例ですね。名前通り、起毛加工を施しています。
—「起毛リネン」、初めて聞きました。少しふわふわとしていて、この肌触りはリネンとは気づかない人も多そうですね。
洋服にお詳しい方でもウールと間違われることはありますね。リネンというのは繊維が空洞になっていて、そこに空気をため込める。つまり保温作用があるんですね。それを起毛させて、毛羽の間にも空気が入るようにすることで、より効果を高めるんです。
—日本では「リネン=夏素材」と売り出されていますが、こういった服をみると、それもあくまで一つの側面でしかないなって思えますね。ただ、秋冬にリネン素材というとどうしても寒そうなイメージがあって。実際、日本で着る場合はどうなのでしょうか?
ちょっと寒いです(笑)。ただ、レイヤードのやり方次第だと思います。ハイテクな素材は今増えてきていますし、ウールのようにより暖かい素材と組み合わせてもいいですしね。アウトドアウェアと合わせて上から羽織ったりとか、そういった独自の着方はスタッフが考案しているので、ぜひ店頭で聞いて欲しいですね。
新谷さんおすすめのスタイリング
ここからは実践編。実際にnest Robe CONFECTのアイテムを用いた、秋冬コーデを指南してもらいました。しっかりと今っぽくも、飽きのこない絶妙なバランスに注目です。
1.レイヤードは「シックさ」と「異素材」を意識
「うちでは定番のスタイルです。トラッドな要素を持たせつつ肩の力は抜いて、といったバランス感覚を意識しました。革靴やメガネといった小物で大人らしくまとめているのもポイントですね。」
Jacket:Brushed Linen Tailored Jacket / CONFECT
Shirt:Cotton Oxford Band Collar Pullover Shirt / CONFECT
Turtle Neck:Washable Wool Turtle Neck Pullover / CONFECT
Pants:Brushed Cotton Twill Fatigue Pants / CONFECT
Shoes:Side Gore Boots / Hender Scheme
2.ミリタリー感は“匂わせる”程度が大人らしい
「ナチュラルで、やり過ぎない程度に男らしく仕上げました。うちの服は、メンズ服の王道的なスタイルを踏襲しつつも、実はちょっとドロップショルダーだったりするのがいいところ。このシャツも一見普通だけど、着てみると真面目な雰囲気にならないんです。」
Blouson:Moleskin Short Blouson / CONFECT
Shirt:Brushed Linen Military Shirt / CONFECT
Pants:Brushed Cotton Twill Fatigue Pants / CONFECT
Shoes:Military Cap Toe / SANDERS
3.快適&ナチュラルなスタイルにはレザー素材を
「うちのように、ナチュラルな素材のアイテムはむしろスニーカーの方が難易度が高かったり。合わせるなら、この<CONVERSE CONS(コンズ)>のスニーカーみたいに、スウェード素材を使っているものがちょうどいいですね。羽織っているシャツの素材は起毛リネンで、長く着回せるのもおすすめです。」
Shirt:Brushed Linen High Neck Shirt / CONFECT
Knit:Knit Crew Neck / crepuscule
Pants:Moleskin Wide Tapered Trousers / CONFECT
nest Robe CONFECT 表参道店
FACYではお馴染み、着心地の良い天然素材のウェアを手がけるメンズブランド。とりわけ長けているのはリネン素材の取り扱いで、シーズンを超えて個性豊かなリネンウェアを展開している。使い込むごとに味の出るアイテムはカジュアルから古着スタイルまで相性抜群。
今回取材した表参道店は、木目を基調とした、ヨーロッパの古民家のような空間。1階にはメンズウェア、2階にはレディースウェアを展開。3階と4階にはオーガニックなイタリアンを提供する『nR table 表参道店』も併設。
Address:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-4-8
Open: 11:30-20:00
Tel: 03-6438-0717
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