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あのお店のプレイリスト|仲町台Euphonica vol.6「雨の日はいつもレイン」

国内外から上質なアイテムをセレクトする仲町台町の“洋品店”「Euphonica」のオーナー井本さんが、その時々の気分に合わせてプレイリストを公開。90~00年代の音楽体験を語ってもらった際には同氏のマニアックな一面も垣間見えましたが、はたしていま興味のある音楽は? vol.6は「雨の日はいつもレイン」。

Euphonicaオーナー/井本征志
「梅雨ですから、どんよりした天気に聴きたくなる曲をピックアップしました。ちなみに『雨の日はいつもレイン』というテーマは30年前のラノベから」
1. Birdie/The Original Strand
「『灰色の朝、街を覆う…』この時期そのもののような、イギリスの夫婦ユニットBirdieの一曲から始めていきましょう」
2.Lamp/雨のメッセージ
「梅雨って降水量が多いというより、日照時間が短いのが特徴だそうで。そんなじっとりした日の続く梅雨どきっぽい感じの歌です」
3.Mumbly/Demain
「実はこのMumblyについてはよく知らないんですよ。90年代にフランスで活動していたインディーズのバンドらしいというくらいしか。この曲自体は学生時代から愛聴していて、とにかく陰気で、でも不思議と魅力的な曲だなと思っていました」
4.大瀧詠一/雨のウェンズデイ
「冷たさのない、生ぬるい雨のイメージですね。まさに梅雨から夏に降るような」
5.Margo Guryan/Think of Rain
「オーネット・コールマンらと音楽を学び、ジャズピアニスト、作曲家としてキャリアをスタートしたマーゴ・ガーヤンが『ペット・サウンズ』に触発されて生んだ楽曲……なんて蘊蓄など知らずとも、ジャケット、曲、すべてが軽やかに雨です」
6.寺尾紗穂/あじさいの青
「梅雨と言えばあじさい。あの青紫は、どんよりとした梅雨どきの数少ない嬉しさですね」
7.The Beatles/Penny Lane
「言わずと知れた超有名曲ですが、土砂降りでもマッキントッシュ生地の雨具を着ない銀行員が登場したり、あたたかくてユーモラスな描写がいいんですよ、この曲」
8.荒井由実/雨のステイション
「このころのユーミンの音は、水の粒が立つような瑞々しさに溢れています。雨を背景とした若人の心理」
9.Sandie Shaw/Smile
「もとはチャップリン『モダンタイムズ』のテーマ曲ですが、ナット・キング・コールの歌としてよく知られていますね。こちらはサンディ・ショウによるカバーです。『空が雲がかっていたって なんとかなるさ』」
10.Pizzicato Five/聖三角形
「第二期、田島貴男ヴォーカル時代の隠れた名曲です。とくに雨の歌ではないんですが、歌の湿り気がスゴイので」
11.Nirvana feat. Lesley Duncan/Love Suite
「カート・コバーンとは一切関係のない、イギリスのソフトロックバンド“Nirvana”。レスリー・ダンカンをフィーチャリングしたこの曲は、なかなか表に出る気の起こらないこの時期の心象をあらわしているかのよう」
12.ヨットヘヴン/しみ込むのは、泪のかわり
「ヨットヘヴンは個人的にいまかなり注目しているバンドです。この情緒豊かなバラードに、雨だか涙だかわからなくなります」
13.Neil Sedaka/Laughter in the Rain
「最後は明るく、雨に微笑みを!」