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【番外編】あのお店のプレイリスト|FACY編集部 杉山 vol.2「春眠暁を覚えず」

セレクトショップの面々がその時々の気分に応じて選曲する「あのお店のプレイリスト」。今回は番外編です。リストを作ったのはVANSやディッキーズが大好きなFACY編集部・杉山。テーマは「春眠暁を覚えず」。

杉山遼人(FACY編集部)
「春の季語のひとつに“朝寝”があるそうです。 4月といえば、別れや新しい出会いをテーマとする歌が流れる時期ですが、今回は思わずまどろんでしまうような浮遊感がある曲を中心にリストを作ってみました」
1.Jacob Collier/Close To You
「fkjやTom Mischの登場以来、ひとりでいろいろ演奏するマルチプレーヤー的なスタイルがちょっとしたトレンドになったような。Jacob Collierもその流れに連なるひとり。こんなにオリジナリティあふれるカバーをしてくれるなら、カーペンターズも本望でしょう」
2.Frank Ocean/Nikes
「ナイキのスウッシュがチェック(=小切手の意)のマークに似ていることから、『All you want is Nikes』のフレーズはダブルミーニングのようです。Frank Oceanの登場からR&Bの音のトレンドも変わったような気がします」
3.Emily King/Remind Me
「声が大好きなEmily King。この人も従来のR&Bに収まらない音を更新し続けてくれるアーティスト。地味にベースラインのアレンジがかっこいい」
4.LION BABE/Treat Me Like Fire
「自分の好みを的確にリコメンドしてくれるSpotifyの関連アーティスト機能。全然知らないアーティストでしたが、いい感じです。Erykah Baduの声にちょっと似ているような」
5.NxWorries (Anderson.Paak & Knxwledge)/Lyk Dis
「J DillaやMadlibの音作りをがっつり受け継いでいる印象の新世代ビートメーカー、KnxwledgeとAnderson.Paakのユニット。浮遊感ある感じのトラックがかっこよすぎです。歌詞はたぶん卑猥な感じ」
6.Marlena Shaw/Feel Like Making Love
「『冬から春に移っていくのを眺めながら公園を散歩する』。そんな意味の歌い出しのフレーズが今の時期にピッタリ。いろいろな人がカバーしてる一曲ですが、このMarlena Shawのバージョンが好きです。」
7.Brittany Howard/History Repeats
「編集部の溝口から『この曲かっこいいすよ!』と教えてもらった一曲。Alabama Shakesも才能あるバンドですが、確かにソロもかっこいい。リピート率高いです」
8.Roy Ayers/Love Will Bring Us Back Together
「ヒップホップ界隈でも参照されることが多いRoy Ayers。大体の曲にハズレがないのですが、春に聴くならこんな一曲でしょうか。ファンキーなのに音に抜け感があるというか」
9.Sergio Mendes(feat. Stevie Wonder & Gracinha Leporace)/Berimbau Consolacao
「2006年って、確かThe Black eyed peasがめっちゃ流行ってましたっけ。フロントマンのwill.i.amとブラジル音楽のレジェンドとの合体作も今聴くとまたいいです。夏が来る前にフライング的に聴きたい一曲」
10.Kan Sano/Think Twice
「新たな一曲を求めて、Spotify上をさまよっていたら出会いました。日本のキーボーディストのようです。『Think twice』もよくカバーされる曲ですが、かなり今っぽいアレンジ。暖かい春の一日の夕方のイメージ」
11.Lucy Pearl/Everyday
「いわゆる90年代R&Bの延長線上にある音ですが、参加メンバーのRaphel Saadiqの趣味がよく出た、暖かみのある音色が印象的。Lucy Pearlって何気にかなり豪華なユニットでした」
12.KAYTRANADA (feat. Karriem Riggins & River Tiber)/BUS RIDE
「ここらでインストの小品的な一曲。KAYTRANADA名義ですが、フィーチャリングされたKarriem Rigginsのドラミングがとにかくかっこいい」
13.D’Angelo/I Found Smile Again
「90年代R&Bからもう一曲。いわゆるネオソウルと言われる新しい流れを生み出した張本人のひとり、D’angelo。こんな曲あったっけ? と思っていたら、映画『Space Jam』のサントラの一曲でした。思いがけず新曲が聴けた気分」
14.Shin Sakiura/ほんとは feat. Kan Sano
「先ほどのKen Sanoさんからもう一曲。てか、テレ朝のテレビ朝日『関ジャム 完全燃SHOW』にも出演されていたんですね。気だるげなご本人の歌声もなんか癖になってきます」
15.Bruno Major/Regent’s Park
「この人も知らなかったアーティストでしたが、今気になるリストのうちの一人です。ビリー・アイリッシュやBTSもフェイバリットに挙げるSSWだそう。しかし、この曲ロマンティック過ぎでしょ」