FEATURE
売れた=良いもの?高円寺のLampaで、売れるはずの良質なアイテムについて根掘り葉掘りしてきました!
「めちゃくちゃカッコイイのに、売れないんですよね。」
ショップでの取材中、時たま耳にするその言葉。言わばショップにとって当シーズンの推しアイテムであるわけですが、なぜだか手に取られない…。そんな着れば分かる、接客を受ければ惚れ込むような、至高の一着の魅力をお届けするのが本企画。
そこでお忙しい読者の皆さんに先立って、今回は高円寺のLampaへ。同店の店長・遠山さん推しは『Still by hand』のシャツコート。正統派なもの作りでもって多くの服好きを虜にしてやまない同ブランドのプロダクトなのだから、物が良いのは当たり前。それでいて初見の人や、あまり服を知らない人でも、ただならぬ作り込みを感知して買ってしまう引力を持つのも事実。あとは魅力を伝えるだけ!ということでどうぞ皆さま、この記事にて存分に魅力を感受、然るのちお店でご試着をどうぞ。
『天然素材を加工するって、発想からして良いよね』
早速ですけど、まだ売れてない推しアイテムってなんですかね?
このStill by handのシャツコートなんですけど。売れないというか、反応が芳しくない。
手に取ったり、試着される方はいらっしゃいますか?反応とかはどうなんでしょう。
いるんだけど、うーんて感じで。「軽いですねー」ってコメントが多いですね。春秋で着るのを想定してて撥水加工されてるので、ちょっとした雨にも強いんです。レインコートまでいかないけど、カジュアルな服の中にギアの要素を持ってるのが推しポイントですね。
全然ぱっと見じゃ撥水加工だと分からなかったです。どんな具合なんですか?
麻に裏面から撥水加工してるんですよ。撥水加工すると裏面のこの感じになっちゃって表のこの雰囲気が消えるので、あえて裏面に撥水加工かけてるんですよね。
(めくられてる方が裏面。表地は麻の柔らかな表情で、撥水加工の裏地はパリッとしています。)
表地に撥水ではなくて裏面に撥水加工することでどういう効果があるんですか?
やっぱり表に撥水加工するとこの麻の雰囲気が潰れちゃうというか。この絣っぽい雰囲気がなくなっちゃうんですよね。だからあえて裏面にして、麻なのに撥水加工っていう。天然素材の上に加工をかけて良い意味で変な感じにしてる。だから麻のわりには張りがある。そこがこの服を楽しむポイントだと思います。
生地から考えてプロダクトに落とし込むって、やっぱりStill by handの魅力の一つですよね。
やっぱり柄がネックかな?今って無地でミニマルなものがちやほやされてるから。チェックの色味が一般的に見たら渋いんだと思います。ここが良さでもあるんですけどね。遠目で見ても無地の単色じゃない奥行きというか、深みがあるんですよ。魅力を伝えきれなかったのかなー。
魅力と言うと生地もですけど、結構合わせやすいアイテム気だと思うのですがいかがですか?
シャツコートなので、いわゆるコートじゃなくてシャツのようにパッと羽織るのがかっこいいんです。スラックスというか、渋い色の物と合わせるとそっちの雰囲気が強くなるんで僕は薄いデニムと合わせる提案したいですね。
開けてきて、中にはTシャツでもいいし、インナーにもシャツを合わせてシャツonシャツでもいいですね。靴はスニーカーでもいいですし、革靴と合わせたっていい。ちょっとクラシックというか、渋めの感じなんで、あえて加工かかったデニムとか合わせるとバランスとれるかな。
ということで、実際に遠山さんに着てもらいました。
…かっこいい。このバランス感、さすがです。ロングシャツに見立ててボタンを閉めてレイヤードしても絶対かっこいい。洗っていくとどうなりますか?
そんなに変わらないけど、人の形になっていくというか、腕とか良い感じに馴染みますよ。
(袖のボタンを閉めないのが遠山さん流。“洒落”に対する拘りが見て取れます。)
価格はいくらですか?
24,000円と消費税なんですけど、今は50%オフのセールにかけてます。期間限定なんで。
Still by handの服がその値段ってだけでも買っちゃいそう。物の良さを聞くと、改めてまだ売れてないのが不思議になりました。
去年のSSなんですけど、先ほどから言ってるように春夏で着るのを想定してるので、今年のスプリングコートを安めに購入すると思えばかなりお得かと。
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素材の特性から生まれるアイテム単独の良さ、そのアイテムを過不足なく引き立てるスタイリングまで、その場でつらつらと言葉もイメージが出てくることから、10年ショップを続けてきた遠山さんの“店員力”のような物を感じます。
このシャツコートだけに限らず、お店のオススメ商材からスタイリングまで、ぜひ実店舗で問い合わせみてはいかがでしょう。至極のショップ体験ができます。WEBでのショップ体験は下記ボタンからどうぞ。
Lampa
90年代の東京、ニューヨークの都会らしさにルーツを持つ遠山さんがオーナーを務めるセレクトショップ。自身が思うかっこよさをセレクトで、言葉で、表現しているからこそ、古着の街にして長年愛され続けている名店。上っ面ではなく「ファッションとカルチャーは紐づいている」と語れるその見識の深さが、提案する服、着こなしの幅にも繋がっている。取り扱いブランドはStill by hand、Ordinary Fits、Stammbaum、Blueoverなど、ラフで粋、本質的なストリートを感じるブランドばかり。本人は50%の完成度と語るも、行けば満足度は100%、極上のショップ体験ができますよ。