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ディレクターHのファッション講座③パンツの丈感について
・パンツの丈がオシャレへのチャンス
季節によって素材の違いはあれど、1年中最も同じものを着る回数が多いのがボトムス。ニットは夏に着れませんからね。と、言われてみれば至極当然のことですが、穿く回数が多いアイテムであるだけにオシャレになるためのポイントを押さえておきたいところです。
そもそものどのパンツを選ぶかに関しては個人的な主観が入りかねないので一旦置いておくとして、今週はその押さえておきたいポイント『パンツの丈感』についてお話ししようかと思います。
ショップに入っていいなと思うパンツを見つけたかと思えば、丈が合わなくて“自分で丈を詰めないといけないパンツなのか…”と購買意欲を削がれてしまった経験がある方が多いと思います。かくいう私もその通りで、特に国内ブランドのスラックスには多いですよね。
妥協してせっかく買ったのに丈が長くて後に穿かなくなったり、擦れてボロボロになって捨てる直前になったりと、パンツの寿命より短くなることがしばしばです。でも実は、こういうパンツってオシャレに近くチャンスが眠っているんですよ。
・パンツの丈の種類abc
例えば髪を切るとたった数センチですらその人の印象が変わるように、パンツもたった数センチで見た目の印象が大きく変わってきます。
a. フルレングス
靴を履かずに立った時にちょうどパンツの裾が床につく長さ
b. 9分丈
靴を履いた時にパンツにシワが寄らずに靴に乗っかる長さ
c. 8分丈
パンツの裾が足のくるぶしくらいの位置で靴下が見える長さ
サルエルパンツやクロップドパンツなどの形が決められたパンツは一部除いて、一般的なパンツの丈の長さとしては大きく分けると上記の3つに分類できるかと思います。売られているパンツですでに裾の部分が詰められているものは既製品として“a”か“b”です。
でも実はパンツの丈の長さは明確な統一の基準がないので、ショップやブランドが良い意味でも悪い意味でも適当に決めた長さになっているんですよね。
つまり、各個人においてベストな長さである可能性は限りなく低いんです!なので髪の毛をなんとなく長さとイメージでスタイリストさんに伝えるように、パンツでもその長さとかコーディネートした時のイメージを連想して整えてあげることが、おしゃれに近づくポイントでありファッションを楽しめるポイントだったりするんです。
・春夏はb、秋冬はcを意識すること
では実際にどんな長さにすればいいの?といえば、春夏は“b”、秋冬は“c”の長さを意識していれば、十分です。
そうすると、もっと靴や靴下で足元のコーディネートとして自分自身で楽しんでいただけると思いますし、そして周りからの見られ方も「パンツの丈感にもこだわっているな=おしゃれを気にしているな=あの人おしゃれかも!」といった方程式を導き出すことができます。
最後ですが、実はどのショップでもパンツを買うときに「丈詰めをお願いします」と言えば詰めてくれるので、上記のポイントを購入時に詰めてしまうのが手間もかからず手っ取り早いかと思います!細かい部分ですが、むしろ細かい部分が全体のおしゃれという印象への近道なので是非試してみてください!
PS.私はすべてのパンツをcの長さに統一しています!
第1回 ディレクターHのファッション講座① コーディネートの基本は『色の4原則』
第2回 ディレクターHのファッション講座② サイズ感のバランスについて
Photo.Yuya Iwasaki, Text.Director H