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その服、どこで誰が作っているのか知っていますか? エシカルファッションアプリ「Good On You」
今月は〈Clothing Subscription〉をテーマに取り上げ、国内外のサービスについて見てきました。
これらのファッションレンタルサービスが共通して持つのは、「モノを共有することで無駄な消費を無くしたい」という環境への配慮。このような、地球にやさしくファッションを楽しもうという動きは、近年エシカルファッションや、サステイナブルファッションという言葉として広まりつつあります。
そこで今回は、誰もが気軽にエシカルファッションを楽しめるように、開発されたオーストラリア発のアプリ「Good On You」をご紹介します!
・1000を超えるアパレルブランドのエシカル的評価が分かる「Good on You」
「Good On You」は、オーストラリアの慈善団体 Ethical Consumers Australiaによる社会的企業が、先月11月にローンチしたばかりのエシカルファッションアプリ。このアプリでは、1000を越えるアパレル系ブランドがどれほどエシカルなのかについての評価を知ることができます。
CEOのゴードン・レンオフ氏は、「私たちの多くは“buy better”(=より良く買う)ことを望んでいる。ただ、どこから始めたらいいかわからないだけなんだ。」とアプリのプレスリリースで語り、Good On Youこそがその初めの一歩の助けになるのだとしています。
ではここからは、より良い服の買い方を提案する注目アプリの詳しい使い方をご紹介します!
・ブランドのエシカル度を比較した上で服の購入ができる!
まず、トップ画面の検索フォームから、ブランド名・ストア名・欲しいアイテムを検索します。
例えば画像の例では「Casual Shoes」と検索していますが、その結果エシカル度とともにおすすめブランドが表示されています。それぞれのブランドページへ飛ぶと、そのブランドの人や環境、動物への態度についての評価をより詳細に見ることができ、ブランド間で比較をした上で服を購入することができます。
さらに環境や労働者の人権、動物保護など、自分がどのような問題に対して関心を持っているのかをあらかじめ設定することができるので、よりそれぞれのニーズに合ったブランドを知ることが可能です。
・各ブランドへ直接エシカルについての質問もできる
また、各ブランドに対して気になる点について直接質問をすることができ、その回答に対してフィードバックをすることもできます。
これはブランドの透明性を上げる上でも非常に重要ですし、ブランドと多数の消費者を繋ぐことのできるオンラインならではの機能ですよね。
・ブランド毎の詳細な評価も可視化
さて、このように各ブランドの
“エシカル度”の評価を見ることのできるGood On Youですが、実際にどのように評価が行われているのでしょうか?
エシカル度の評価は、上のようにGreat, Good, It’s a start, Not Good Enough, We Avoidの5段階で行われており、評価に用いられるソースはFair TradeやEthical Clothing Australia、the Global Organic Textile Standard (GOTS)といった公式の認証制度や、NGOの評価システムなど、第三者視点によるものです。
Good On Youが大きく評価基準として挙げているのは、人・環境・動物の3つ。「人」が指すのは、児童労働や強制労働、労働者の安全や団結権保護などの扱いをどのように行っているか、「環境」は省エネや環境にやさしい素材の使用、有害化学薬品使用、包装などが評価基準となっています。また「動物」というのはファーやアンゴラ、皮の使用方法や
ミュールシングの有無などを指しています。
ローンチから間もないためまだ評価基準は少なめですが、これからもっと対象となるエシカル課題を増やし、評価を精査していく予定だそうです。
・ Good on Youはテクノロジーを通して、消費者の義務を果たす手助けをしてくれるアプリ
1000人余りの労働者が犠牲となった、2013年バングラデシュでのアパレル工場ビル倒壊事件は記憶に新しいですが、ファストファッションが当たり前になった今、その犠牲になっている人々に目を向けることは、ファッションを楽しむ人にとっての義務であると言えるでしょう。
自分が買っている服が、どのような環境で、どのような人々によって、どのような材料を用いて作られているのかを知るのは必要なことである一方、情報が提供されない限りなかなか難しいことでもあります。
しかしGood On YouはFashion Technology を通じて、消費者としての義務を私たちが果たす手助けをしてくれます。このようなサービスは今後オーストラリアから世界各地に広がって行くことでしょう。日本においても今以上にエシカルに対する関心が広がっていくことは間違いありません。
消費の増える年末だからこそ、それが作られた環境に思いを馳せ、エシカルファッションという新しいトレンドに目を向けてみてはいかがでしょうか。
Text.Ayami Kawasaki