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春夏、クルーズ、プレ…?「コレクション」って何?

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「AWコレクション入荷しました!」「2016春夏コレクションの予約受付中です!」店頭でこんな言葉を聞いたことはありませんか?なんとなく普段耳にしている「コレクション」という言葉、秋冬・春夏の2つに分かれていると思ったら大間違い。実は、もっともっと細かく分かれています。

コレクションとは商品ラインナップのこと。◯◯コレクションの前に付く季節がそのラインナップのシーズンということです。ここまでは簡単。でも最近、“プレ”  “クルーズ”  なんて言葉も聞くようになりました。

今回は知っているようで知らない、ファッション業界の「コレクション」について分かりやすく解説します!

コレクション発表から発売まで

一般的にレディスのプレタポルテ(※1)はショーや展示会形式で発表されてから発売されるまで、5〜6ヶ月のズレがあります。9月に発表された春夏コレクションが店頭に並ぶのは早くて翌年の2月。

《コレクション発表→展示会(受注、生産数決定)→生産→店頭》

というざっくりとした流れ。これに並行して、キャンペーンや雑誌の撮影などの広報活動も行われます。オートクチュール(※2)は発表から3ヶ月、最もタイムラグがあるメンズコレクションは発表から発売まで約9ヶ月待たなければいけません。

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上の写真は今年3月のパリコレクションで発表された「MASHA MA(マーシャ・マー)」2015AWコレクション。午前中にコレクションを発表して夕方にはショールーム設営完了です。(ショーでPRアシスタントをした後モップアシスタントへ降格した編集A)この早さは日本も見習いたいですね。この後数日ほど展示会が行われ、いよいよコレクションの命運を左右するビジネスが始まります。

(※1)既製服。サイズがあらかじめ決まっている、私たちが普段買って着ている服のこと。
(※2)高級仕立て服。顧客のサイズに合わせて1着ずつ仕立てられる服。日本ではあまり見られない。レッドカーペット用のドレスやアーティストの衣装などに用いられる。

コレクション発表スケジュール

コレクションのメインとなるのが春夏・秋冬のプレタポルテコレクションは、NYLONDONMILANOPARISTOKYOの順で開催されます。間髪入れずに一ヶ月続く過酷なスケジュール。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA2013年2月のロンドンファッションウィーク。ハイド・パークに出現したBURBERRY PRORSUMの特設会場。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAロンドンが終わる翌日にはミラノファッションウィークがスタート。街中に設置される巨大ディスプレイで誰でもランウェイを見ることができます。

レディスプレタポルテの他にメンズコレクションなどを加えた1年間のコレクション発表スケジュールを1月からざっと見てみると、ほぼ2ヶ月に一度のペースで何かしら発表されていることがわかります。

【1月】メンズAW、オートクチュールSS
【2月〜3月】秋冬Autumn/Winter
【5〜6月】プレSpring、クルーズ、リゾート
【6〜7月】メンズAW、オートクチュールSS
【9〜10月】春夏Spring/Summer
【12月〜1月】プレFall

OLYMPUS DIGITAL CAMERA2013年6月に行われたParisメンズ。KENZOのショーは郊外のサーカス場で行われました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAメンズのコレクション発表ということもあり、来場者は素敵メンズがずらり。

クルーズ、リゾート、プレって?

プレコレクションはメインの春夏・秋冬の前に発表される、小規模なコレクションのこと。ブランドによってクルーズ・リゾート・ホリデーなど、様々な呼び方があります。

クルーズ、リゾートコレクションは春夏コレクションのプレにあたり、5〜6月に発表され、11月〜1月に店頭に並びます。「あれ、11月に売るのにリゾート?」と疑問に思うかもしれませんが、周りにいませんか?年末年始にハワイに行く人。そんな人たちに向けた、バカンスに着て行きたくなるようなライトな服が並びます。日本に比べバカンス文化が根付いてる欧州では大事なコレクションです。もちろんバカンスに行かない人も着れますよ!

ファッションオタク、ランウェイ好きは必ずチェックするVogueRunway.com(旧 STYLE.COM)を見てみると、ルックの掲載がある1991年から2006年まではSS、AW、Couture、Mensのみですが、2007年からResortが入ってきています。春夏・秋冬の2回だけでは消費者の需要に応えられなくなったため、この頃から間を埋めるようにプレコレクションが展開されるようになりました。ランウェイで発表される「これ着られますか?」というメインコレクションとは異なり、より着やすく売りやすい服が並ぶのがプレコレクションの特徴です。

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新しい商品が次々に出てくるので、消費者にとってコレクションが増えるのは嬉しいこと。しかし、このスケジュールをみると、いかにファッション業界が過密なスケジュールで回っているのかが分かります。ファストファッションと言って思い浮かべるブランドだけが早いサイクルで服を作り出しているわけではありません。コレクションブランドと言われるところも同じで、3ヶ月に一度のペースで新作を発表しながらクリエイティビティを維持するのはとても大変なこと。常に新しいものを求められるファッション業界なら、なおさら厳しいことというのは想像に難くありません。

早いサイクルで作られた服だから早く消費してしまっても良い次にお店で手に取った服が、そんなサイクルで作られているか、想像してみてください。

 

知っているようで知らないファッション業界の仕組みをイチから解説する「って何?」シリーズ。ファッションウィークって何?」「展示会って何?に引き続き、今回はコレクションについて分かりやすく解説しました。そろそろネタ切れなので、次回のネタを探しに「ココがナゾだよファッション業界」を聞き取り調査しに出かけてきます!

Text. AzuSatoh

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