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プロのニッター揃い!オーセンティックな老舗ブランドのメンズニット4選
いよいよ身体の正面から受ける夜風に耐えられなくなってきた。15℃はゆうに下回る日が続くと購買意欲とは違う、光熱費や家賃などに似た必要に迫られた買い物が強いられるようになる…。とは言え買い物をしていて良質なアイテムを見ていると、いつの間にか主体的に選んでいる自分がいるのも一興。買った後に服を部屋で眺めながら「なんで買ったんだっけ」と?マークが出るのもまた一興。というわけで今回は、すでにご活躍されているであろう羽織りモノのインナーに使えるニットをご紹介したい。
秋の装いの大定番であるニットは意外と買い足すことが少ないように思う。アウターに比べ安価で手が出しやすくはあるが、結果的にいつも先に手が出てしまうのはコートだ。そこで、今回はニットの購入頻度が少ない人のために、毎年着られるようなオーセンティックな雰囲気のニットをテイアンしてもらった。話題のブランドから老舗ブランドまで最高に良質なアイテムが集まったので、夜風をものともしない毎日のために、ぜひご参考に。
−Made “by” 〜にこだわるフランス人女性デザイナー
DE BONNE FACTURE / WOOL RICE GRAIN SAILOR KNIT ¥43,200(tax.in)
まずはhusbandからのテイアン、DE BONNE FACTURE(デ ボン ファクチュール)のニット。エルメスのシルクアクセサリー部門、プロダクトマネージャーの経験を経て2013年に始動したフランス人女性デザイナーによる新進気鋭のブランドだ。アイテム毎にクラフトマンシップを感じる多様な工場とコミュニケーションを取りながら協業する姿勢は、タグごとに工場名を入れるところに表れる。
ちなみにこちらのニットは「Made by Fileuse dArvor」。素材は上質なシェットランドウールを採用しており、編地が分厚く固めになる特徴のワッフル編みによる凹凸感は風情を感じさせる仕上がりだ。左肩に配された特徴あるボタンは、フランスのジェラ地方で1950年代から続く工房で作られた水牛の削りだしのモノ。ニットに限らずシャツにも使われることから同ブランドのアイコニック的な存在となっている。深みのあるオリーブグリーンは今季のトレンドカラーを彷彿させるが、いつまでも着ていけるニットであることは間違いないだろう。
–暗闇でも着脱可能、アウターいらずのタートルニット
ANDERSEN-ANDERSEN / NAVY TURTLE ¥45,360(tax.in)
お次は、Shabby & Insutrialからのテイアンをご紹介。こちらは今シーズン大手セレクトショップでもポップアップするほど猛プッシュされている、ANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセン アンデルセン)のニット。アンデルセン夫妻がデンマークにて立ち上げた同ブランドは、漁師や船員などの着ていたデザインをベースに、古くから海洋国家であった同国の伝統的なセーラーセーターに特化したニットウェアを展開している。
忙しい船員達の素早い脱ぎ着に配慮し、前後対象に前後ろどちらでも着用可能。またフルファッションニットで編み立てられているので、袖周りなどに減らし目が入っており各パーツのつなぎ目は非常に美しく、綴じ目の厚みを感じることのない裏側もかなり滑らかでストレスを感じさせない。非常に密に編まれているので少しの冬ならアウターいらずの保温性を誇る、北欧の冬に耐えうる仕様はさすがの一言。
−職人歴20~30年のベテランニッターが編んだローゲージニット
H.ROBINSON KNITTING / Hand Knitted Cable P/O ¥45,360(tax.in)
お次はEIGHT HUNDRED SHIPS & CO.より、H.ROBINSON KNITTINGのニット。元々は80年代初頭に閉鎖したイギリス北部の家族経営のニットメーカーだったが、地元でヤーンショップを経営している1人のニッターが20~30年間ニットを編み続けているベテランのニッターたちに呼びかけ、晴れて2014年秋冬より再始動することになったブランドだ。
こちらは、立体感のあるケーブル編みが特徴的なクルーネックのローゲージニット。イギリスの田舎町の家庭に入っているニッターに製作を依頼しているハンドニットアイテムは、伝統的なデザインに織り込まれたオレンジ、グレー、ホワイトなどのポップな色味のネップ糸が新旧ミックスといったデザイン性を感じさせてくれる。糸には、アイルランドのドネガル地方で紡績されたツイードヤーンを使用。ブリティッシュウールほど硬さはなく、アランヤーンほど強いひねりはないので、様々な体型に自然とフィットしてくれる。
–スコットランドの温かみを感じとることができる定番ニット
INVERALLAN / LUMBER COLLARED CARDIGAN ¥44,280(tax.in)
最後はSELECT SHOP SEPTISより、ニットの大定番INVERALLAN(インバーアラン)。もはや永久定番としても名を馳せているためご存知の方も多いはず。少なくとも25,000ステッチからなる一枚のニットを約90時間かけてハンドメイドで編み上げるのが特徴のニットは、いわゆるアラン織りという独特な編み模様。
そのため大きさには個体差が生じるが、厳しいクオリティチェックを越えた品質はもちろん、遠くスコットランドの人の温かみも感じ取ることができる。ヘビーウエイトにしっかりと編みこまれた伝統のセーターはいつの時代にも古びることなく、長い間付き合える相棒となってくれる逸品に違いない。ちなみに、同店は本国より直輸入しているため、少しお安めに購入することが可能だ。
今回テイアンされたニットは、すべて4万円以上と、かなり上等なアイテムが集まった。生産背景、工程を含めてどれもニッターの手の温もりが感じられて身も心も暖かくなるものばかり。ニットはあまり買わないという人は、1つこのような上等なニットを買ってみてはいかがだろうか?
この記事はこちらのイライを参考に書いているので気になった方はご参考に!
Text.Shunsuke Mizoguchi