FACYで先週もっとも売れた一足を紹介する「先週のベストキックス」。第5回目となる今回は〈JieDa〉×〈ellesse〉の「オールコートシューズ」です。

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80sのヘリテージモデルに“今の空気”を

「温故知新」の言葉を待たずとも、古いものも参照の仕方によって、新しく生まれ変わり得る。あまたあるブランドのデザイナーが腐心するテーマでもある訳ですが、この度〈ellesse〉のヘリテージモデルの一足に、鮮やかに今の空気を吹き込んだのは〈JieDa〉。

ベースにしたのは、1980年代に人気を集めた、〈ellesse〉の名品テニスシューズである「ベネチアーナ」。今のタイミングで〈ellesse〉というチョイスがすでに渋い。ストリートとモードを自在に行き来する、自由なデザインセンスが魅力の〈JieDa〉らしく、シューレースを排し、大胆に採用したのは「Boa®フィットシステム」です。

スノーボード好きの方は、スノボ用のブーツを思い浮かべてもらえると、ピンとくるかもしれません。ダイヤルを操作するだけで、素早くフィット感を調節できるロックシステムです。モード的ともストリート的とも言える意匠は、まさに同ブランドのイメージそのもの。

そもそも〈JieDa〉は2007年に設立されたドメスティックブランドです。すでにキャリアのあるブランドながら、今年に入ってから、Tokyo Fashion Award 2019を受賞するなど、ますます勢いに乗っています。

「Boa®フィットシステム」以外のパーツはシンプルに徹したバランス感覚も秀逸。オリジナルの「ベネチアーナ」ではメッシュだった部分も全てスエードで統一しました。ベージュのワントーンのアッパーをブラックで締めた配色センスもクール。あまり気張らずに、色褪せたデニムなんかに合わせるだけで、十分かっこよさそうな一足です。