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脱ミリタリー?シックにキマる大人の「軍パン」
「がっつり」ミリタリーは避けたい
メンズウェアのデザインを形づくる大きな要素として挙げられるのが「ミリタリー」。いかにもミリタリーなイメージのあるMA-1やM-65などはもとより、上品なイメージのトレンチコートやピーコートも、その出自は意外にも軍服だったり。
かくいう筆者もミリタリーものは全般的に大好きです。ただ、いわゆる本気のアイテムはかっこいい反面、コーディネートが途端に男臭くなってしまったりも。特にパンツ。いわゆる「軍パン」は往々にしてカタチも太く、野暮ったくなりがちなのでコーディネートも難しい。
本気度は保ちつつも、普段のコーディネートにも取り入れやすいのが理想。しっかり現代的にアレンジされた大人仕様のミリタリーパンツ。今回はそんな一本をご紹介していきます。
まず注目したい、シルエット
『Brena』はワーク、ミリタリーなどのメンズウェアの要素を元に、丁寧な縫製で、少し上品に仕上げてくれる日本のブランド。今回の趣旨にはまさにピッタリ。
デザインはBritish Armyのパンツをモチーフにしつつも、本来左側につくカーゴポケットを排除。スッキリとした大人っぽい印象です。ほどよくテーパードした現代的なシルエットなので、裾までズドンと太い、いわゆる「軍パン」でよくあるカタチよりは断然使いやすいかと。
生地にはウエポンデニムを採用。「ウエポン」とは、ニューヨーク州のウエストポイントの略。この土地の陸軍士官学校の制服の生地を再現する際に用いることが多い名称です。チノ地の形容としては、見聞きすることの多いウエポンという名称ですが、こちらはなんとブランドオリジナルのデニム地。ブランドの根性を感じます。いわゆるデニムのような硬く粗いものではなく、柔らかくツルっとした上品な雰囲気がポイント。
穿きやすさを担保する2つのポイント
腰回りは大胆にゴムを配したイージー仕様。股下にはクライミングパンツなどでよく使われるガゼットクロッチを。この2つが大人の休日を快適にしてくれます。
本格的なつくりにこだわるだけでなく、こんなところにも気を配ってくれるのはうれしいところ。お腹周りが気になってきた方はゴムを、そうでない方はベルトループを用いてシャツをインしてもOK。
裏地で絵になる
裏地の見えない部分ではありますが、膝、お尻部分の負荷がかかる部分には風合いの良いヘリンボーン地をかましています。これだけで絵になる。かのマルジェラが作りの良さを見せるために、フランス軍のミリタリーパンツ(M-47)を裏返してショーのモデルに穿かせたエピソードを思い出させます。M-47も名品ですが、こちらも負けてません。
コーディネートはミリタリー風味をほんのり残して
コーディネートするなら薄めの同系色のシャツとの合わせが鉄板です。遠目はすっきりした上品なデニムパンツのスタイルながら、さりげなく漂うミリタリー感。これはなかなか洒落てます。
編集部でも細部の徹底した作りこみに、感嘆の声が上がっていた一本。そしてこのクオリティでこのお値段は安い。ちょっと上品なデニムパンツとしても、野暮ったさのない大人のミリタリーパンツとしても、これはなかなかいい解答なのでは。
Lampa
住所:東京都杉並区高円寺南4-8-1
営業:13:00~19:30