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新たな価値観のもと、役目を終えた衣類を再構築する「The Attractman」の魅力
先日、大阪のFREEDOM FROM COMMONSENSE.に足を運んだ際、とある新鋭ブランドに出会いました。その名は「The Attractman(ザ アトラクトマン)」。コンセプトは〈大衆の一部、その役目を終えたモノたち、分解、再構築され…それぞれの革新へと至る〉。
主にアメリカやヨーロッパにおいて一般的に流通していた古着を使用し、デザイナーの独創的なパターンによって解体。それぞれのパーツが持つ機能や仕様を活かしつつ再構築する、リメイクという枠組みを超えたモノづくりを目指すブランドです。
今回はそんなThe Attractmanから、いくつかおすすめのアイテムたちを取り上げていこうと思います。
まずご紹介するのは、“ブランドの象徴でもあり原点”と銘打たれた「modern age」。ユーズドのリーバイス2本を解体し、スリムテーパードの美しいシルエットを描く、1本のパンツへと再構築させたアイテムです。
目を引く外観は、ユーズド特有の裾やポケット跡などのアタリをデザインに組み込んでおり、素材の状態によって同じデザインは一つも存在しません。デザイン・機能両面が複雑に共存する、計算された切り替えが特徴ですが、意外とどんなスタイルにもマッチするプロダクトとなっています。
続いてはこちらの「more light」。スウェーデン軍のM-59ジャケットと、同国軍のユーティリティパンツを素材感はそのままに、ミリタリーアイテムではあまり見られない、スリムシルエットのパンツへと再構築しています。
また、ジャケットとパンツという異なるアイテムを裁断することで「modern age」よりも複雑にパーツが切り替えられています。控えめなカラートーンながら、サイレントなデザイン・スタイリッシュなシルエットを構築した、新しい価値観のミリタリーパンツです。
次はブランド初となるシャツのプロダクトの「melodiya」。ユーズドのフランネルシャツ2着を使用し、プルオーバータイプのトップスへと再構築しています。
素材を左右で組み合わせていますが、シャツ本来のイメージからの“違和感”をあえて作り出すことで、全く新しいデザインへと進化させています。随所にギミックが施されており、合わせるインナーや着方によって、様々な表情を見せるアイテムです。
pay the ferryman ¥14,040(tax in)
最後はこちらの「pay the ferryman」。解体したユーズドのデニムを再構築し、ロングブリム・ロングヘイトが特徴的なデニムハットの形に落とし込んでいます。
トップ部分には形状可変のワイヤーが入っており、その時の気分や服装に合わせ、様々な形に変えることが可能です。着用する角度により様々な形を見せる、唯一無二のプロダクトとなっています。
さて、いかがでしたでしょうか。これらのメインラインはユーズドを素材として使用していますが、クリーンなイメージで着用して欲しいという思いから、複雑な構造のプロダクトと調和する新品生地を使用したシンプルなラインを2016S/Sシーズンより展開予定とのこと。気になった方は彼らの今後の動向を要チェックです。
The Attractman
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Text.Ryota Shimizu