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【総括・番外編】STYLER代表が選んだ2015年のTOP3!
「2015年のベストバイをやるので、私物を持ってきて!」と編集部に連絡すると、なぜか代表TからだけテキストでベストバイならぬTOP3が送られてくるという事態が…。
まったくファッションに関係なかったので、こちらの代表が選んだTOP3は番外編としてお届け。ゆっくり時間があるお正月にぴったり(?)な内容なので、ぜひ御覧ください!※以下、テキスト原文ママ。
3.ダルトン・トランボ『ジョニーは戦場へ行った』
ジョニーは戦場へ行った [DVD] ¥1,730(tax inc.)
強烈な反戦映画として知られる本作。今年、初めて観ましたが反戦映画という枠組みだけで語られるのはもったいない。第一次大戦中に爆撃を受けて、身体の自由と視覚、聴覚、嗅覚、味覚失ったジョニーが、国から延命治療を受けて無理矢理に生きさせられる話。ジョニーは意識がはっきりしており、触覚だけで世界を把握するのが怖いんです。老いて病院に入れられた自分と置換できて。監督、脚本のトランボは偽名で『ローマの休日』の脚本も担当。
2.Steven Pinker『The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined』
進化心理学の泰斗、Steven Pinkerの一般向けの作品。人類の歴史を俯瞰して、一貫して減少していることを考察している。内容も多岐に渡り、いろんなデータも見られるから楽しい。が、翻訳された『暴力の人類史』(青土社)は上下巻合わせて1万円近くするし、Kindle版がない!以前、他の本で「原著は本国で電子書籍で出されてますが、日本でも予定ありますか?」と聞いたところ、「中長期的には分かりませんが、短期的には予定ありません。(ママ)」という答えをいただいた(もちろん今も出てない)。やめて欲しい。
1.荒木光(漫画)、 金城宗幸 (原作)『僕たちがやりました』
僕たちがやりました(1) (ヤングマガジンコミックス) [Kindle版] ¥540(tax inc.)
「そこそこ」の生徒が通う凡下高校に通うトビオは「そこそこ」の人生を目指す無欲な高校生。「そこそこ」の仲間とつるみ、「そこそこ」の高校生活を送っていた。しかし、近所の不良高校とのトラブルに巻き込まれ、徐々に歯車が狂いだす。というヤンマガ掲載の漫画。ヘーゲルやラカンやボードリヤールなどの欲望論に倣えば、欲望とは常に他者の欲望。デフレを20年続けて、全体的に欲望が減退した今風の若者をテーマに作劇するにはどうすればいいのか。一つは日常系で、もう一つは本作が答えを出すのではないかと考えている。
次点.寺田寅彦『ルクレチウスと科学』
科学には数的分析能力(eg.ボルツマン)、器械的実験能力(eg.ファラデー)と古代ローマの詩人、ルクレチウス的想像力の組み合わせが必要とのエッセイ。経営に必要な能力とは。
自分が見た映画や本の感想はほぼEvernoteに書くという代表TのTOP3はいかがでしたか?TOP1に挙げた「僕たちがやりました」はKindleでささっと買うこともできるので、興味ある方はぜひ!
Text.Yuya Iwasaki