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サスティナブルなスタンスミスはあり? #今週の一足

#今週の一足はサスティナブルになったSTAN SMITH
昨年からファッションの世界でも盛んに言われるようになった「サスティナビリティ」。各企業どんな形で取り組むのかはまだ模索中ですが、個人的にはトレンド的なバズワードではなく、これからのスタンダードとして定着していく(というか、いかなければいけない)ものだと思っています。
そんな中、世界的なアパレル企業の中でいち早く本気の取り組みを見せているのがアディダス。2024年までに全商品においてバージンポリエステルの使用を廃止し、リサイクルポリエステルへの切り替えを目指す。さらに同社の売れ筋であり、定番モデルである「スタンスミス」を全商品リサイクル素材に切替えることを発表しました。

ナイキでも宇宙ゴミ(※同社の工場で通常破棄される素材の俗称)を使ったスペースヒッピーやサスティナブル素材のエアフォース1、リサイクルポリのウェアなどを多く発表していますが、さすがにアディダスのスタンスミスレベルまで大胆な取り組みはまだしていません。
このアディダスの取り組みで新たなファンや戻ってくるファンもいれば、当たり前ながら「レザーじゃないなら買わない」というファンも多くいるわけで、そういう意味では「アディダス、めちゃくちゃ踏み込んだな!」と。ここまで舵を切ったという点は評価すべきだと思います。

サスティナビリティに取り組むことと商品が良いのかはまた別問題ですが、このスタンスミスは見た目と履き心地は十分及第点をあげられるレベル。そりゃ世界的な大企業が本気を出しているのでそうなのですが、クオリティは高いです。所謂「スタンスミスを履いて清潔感を出したい」という人には全然OKかなと。
ただし、本革と違って経年変化がない、素材が伸びないので足に馴染んでいく感覚がない、本革よりも劣化するのが早い……など、まだまだ課題は多いというのが正直なところ。現時点で評価するのは時期尚早な気もします。結局「本革のスタンスミスの方が耐久年数が高くサスティナブルじゃない?」なんてことにもなりかねないですしね。

……と、いろいろ言いましたが、アディダスの取り組み自体は大変共感できるものです。今は面白そうだから試しに買ってみるくらいでも良いかも? 良くも悪くも変化したスタンスミス、ぜひ店頭でお試しあれ。

FACY編集部・岩崎
ニューヨークのアンダーウェアブランド〈ドゥルーサーズ(druthers)〉にインタビューして以来、サステナビリティに対する考え方がかなりアップデートされました。デザイナーのアダムは今をときめく〈エメ レオン ドレ(Aimé Leon Dore)〉の立ち上げも手伝った切れ者。未読の方はぜひご一読を。