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辞書とコーヒーと自転車?青山のブックカフェ「GLOCAL CAFE」
多様な文化圏の人が住み、働くグローバルな街、青山。外苑前駅から歩いて5分の静かなエリアにまた一つ素敵なカフェがオープンしました。
「GLOCAL CAFE」はライブラリーが併設したブックカフェ。ここでは辞書や語学本など、数十カ国もの言語・文化が題材の本を中心に取り揃えています。もちろんドリンク片手に読むことができ、気に入ったものは購入してもOK。
GLOCAL CAFEが目指すのは地域・国際交流と多言語・多文化理解を目的とした、新たなコミュニケーションスペース。世界と日本をつなぎ、その土地に根ざした日々の社会貢献に取り組むという意味を込めた「Global Minds & Local Hearts」をコンセプトに、語学セミナーや青山と世界各国・日本各地を結んだ企画展、トークイベントの実施など、様々なアクションでグローバルなコミュニケーションをサポートしていく予定です。
普段はライブラリースペースになっている店内奥は仕切りが設けられており、地域・国際交流や社会貢献のコミュニケーションの場として貸し出すこともしているそう。
本とコーヒーとビール
ブックカフェの醍醐味と言えば本と共に楽めるドリンク。軽井沢・丸山珈琲の定番「丸山ブレンド」や葉山・THE FIVE☆BEANSのコーヒーを提供しています。ライブラリーの本は自由に読むことができるので、ゆっくり一息つきながら気になる国の文化・言語を勉強してみてはいかがでしょう。
思わずタイトルに惹かれて手に取ってしまった「ビールを楽しむドイツ語」という本。ここでビールを飲みたい気持ちをグッと我慢…しなくても大丈夫!コーヒーの他に、厳選されたビールもしっかり取り揃えています。
八ヶ岳・清里のブルワリーが生んだ「八ヶ岳地ビール タッチダウン」は数々のビアコンテストで入賞した経験がある名品。GLOCAL CAFEオリジナルラベルで揃っています。
知的好奇心をくすぐる仕掛け
右側に並ぶライブラリーには貴重な百科事典や辞書などの書籍がずらり。数台置かれている最新の電子辞書は手に取って使用でき、これらに搭載されている辞書の実物が本棚に並んでいるので、画面上でしか見たことがなかったような一風変わった辞書も読むことができます。
大画面のPCは置いてある書籍の検索に使うのかと思いきや、いろいろ検索してくれるみたい。
これは「連想検索」という国立情報学研究所が提供するウェブ情報サービス。これを使えばいちいち辞書を引くことなく、データ化されたページの中に出てくる単語に紐付いた情報が一目で確認できます。本に奥行きを持たせる、単語の仲間探しのようなもの。
試しに右側に表示された単語群の中から「茅葺(かやぶき)」に矢印を当ててみると、本文中の合掌造りという単語にラインが引かれました。茅葺をクリックすると、外部サイト飛んで解説を見ることができます。好奇心を掻き立てる連想ゲームのよう。
街を活性化させるプラットフォームに
GLOCAL CAFEのコンセプト通り、地域の活性化、国際交流を深める場になる仕掛けがGLOCAL CAFEには隠されています。店内奥のブックライブラリーに置かれていたのは書籍ではなく、なんだか見覚えのある可愛い生き物たち。
これは「パッケージクラフト」と言って、捨てられるはずだったお菓子や生活用品の空箱に命を吹き込み大変身させる紙工作です。なるべくゴミを出さないようにしたり、元の商品名や文字が見えるようにしたり、ルールの中で創意工夫しながら楽しむエコで新しい遊び方。
現在行われている「パッケージクラフト」の展示やゴミ拾いにルールを設けてスポーツにしてしまった「スポGOMI」の活動紹介のように、社会貢献や地域の活動に関連した企画展も随時行われていくそう。
地域と繋がる取り組みがもう一つ。ヒントはお店の外にある赤い自転車。これはディスプレイではありません。ここでは最近話題の自転車シェアリングを利用することができます。1日だけの利用もできるので、気分転換に青山周辺をサイクリング、その後コーヒーブレイクなんて楽しみ方も。慣れ親しんだエリアでも、自転車で駆けめぐればいつもと違う風を感じられるはず。
美味しいドリンクが飲めて、サイクリングでリフレッシュもできる。さらには知的好奇心を刺激する体験まで可能な贅沢な空間。また一つお気に入りスポットが増えそうです。「GLOCAL CAFE」はスローな空気が漂う、心地のよいお店でした。
Text. Azu Satoh