FASHION
ファッションウィークって何?《連載:ファッション業界って何?》
今年もあと少し。年始のセールでは何を買おうかな、と画面を見ながら考えている越境レディのみなさん、手持ち無沙汰な数分でファッション業界のことを少しお勉強してみませんか?第3回にわたってご紹介する《連載:ファッション業界って何?》シリーズ、第1回はファッションウィークという言葉に関して少し復習していきましょう。
ファッションウィークって何?
ROBEでも場外スナップなどで定期的にレポートしている“パリコレ”という言葉がファッションウィーク、コレクションの代名詞として一番馴染みがあると思います。ファッションウィークとは、連続する数日間のうちに複数のブランドがファッションショー、コレクションを発表する期間のこと。1日にいくつものブランドが立て続けにショーを行い、都市によっては10日間も続くファッション業界の一大イベントです。
ファッションウィークは世界各地で行われていて、NY、London、Milano、Parisで3月、9月の年2回ずつ開催されるコレクションが現時点では最も強い流行発信力を持っています。それに次いで、世界から注目を集めているのが東京のファッションウィークであるAmazon Fashion Week TOKYOです。参加ブランドはbeautiful peopleやTHEATRE PRODUCTS、Ujohなど東京に拠点を置くブランドが多数。最近ではフィリピンや香港などアジア各国からの参加もみられます。
ファッションショーって何?
そもそも、ファッションショーって何?という方のためにショーの仕組みについても少しだけ復習しましょう。
モデルが急ぎ足(演出によっては驚くほど遅い時もありますが)でランウェイを歩く、たった10分足らずのイベントがファッションショー。出てくるモデルが着ているのは半年先に売り出される服、つまり店頭に並ぶ商品の見本です。簡単に言えば、ファッションショーは来季に売り出す服の発表会ということになります。
たとえば、2016年10月に発表された服は2017年の春夏(だいたい2月初旬くらいから店頭に並び始めます)に売り出される服たち。こんな服着れないよ〜!というものもショーだとチラホラ見かけますが、あくまでブランドのシーズンコンセプトを伝えることが目的なので、実際に売り出すものは発表されたものをよりデイリーに着られるようなデザインに落とし込んで展開されることもあります。
ショーを見ることができるのはセレクトショップや百貨店のバイヤー、ファッション誌やWeb媒体のエディター、ファッション業界を俯瞰的に見るジャーナリスト、SNSで即時性の強い発信力を持つインフルエンサーなどです。バイヤーは買い付ける商品を決めるため、エディターはトレンドを拾い上げ誌面の構想を練るため、ジャーナリストは今のファッションシーンを分析して時には厳しく批評するため、それぞれ真剣に服=半年先の未来と向き合う10分間を過ごします。そしてすぐ後に開催される展示会へと続きます。ただ見て終わり、ではないのです。
いかがでしたでしょうか。ファッション業界の仕組みを知ればもっともっとファッションを楽しむことができるはず。次回は展示会について解説していきます。
※ 文中の写真は全て2015年10月に行われたMercedes-Benz Fashion Week TOKYO(現 Amazon Fashionweek TOKYO)にて撮影
※ この記事は2015年10月12日にS MAGAZINEに掲載された記事をリライトしたものです。
Text : Azu Satoh