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東コレから考える、ファッション業界を担うの若者は誰か?の話《水曜のケセラセラ》

こんにちは、編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第35回目になりました。前回は洋服の賞味期限についての話。今回は先日幕を閉じたAmazon Fashion Week TOKYO 2018SS、通称東コレの振り返りをしたいと思います。先シーズンでは越境し始めた、と書き残しましたが、前言撤回。今シーズンは見えない壁を感じてしまい、正直疑問が残るモヤっとした気持ちでいます。

学生の頃から5年間見てきました。

気がつけば東コレを見続け5年。初めて見た東コレは2012年秋冬のANREALAGEのショーでした。大学3年になったばかりの春、留学を控えた私に「もっと東京にいたい!」と衝撃を与えてくれたのを今でも鮮明に覚えています。彼らはパリに行き、mintdesignsやbeautiful people、yoshio kuboといった当時東コレを盛り上げていたブランドたちもそれぞれの発表方法を選び、この5年で顔ぶれがガラリと変わりました。私自身も学生から報道する立場になり、考え方や楽しみ方が変わっていったと実感しています。

自分の中で変わっていないことといえば、相変わらず「かわいい!欲しい!着たい!」と騒ぎ立てるところ(笑)いつまでも自分と同じ目線に立つ女の子たちの気持ちを忘れずに、あくまで消費者目線で見ることをモットーにしています。そしてコレクションから感銘を受けてファッション業界へ進もうと思った若者の一人として、ファッションウィークを盛り上げていきたい、という気持ちも回数を重ねるごとに増すばかり。

5年間見てきて変わったことといえば、ファッションウィークが目指す方向でしょうか。今までは若手デザイナーの業界内の登竜門的な見え方が強かったのですが、スポンサーが変わり消費者向けのイベントや打ち出し方がこの数シーズンで増えてきたことで、一般に向けて購買を促す販促イベント的な側面も出てきたと感じています。参加ブランドもいわゆるコレクションブランドに加え、低価格帯のブランドや駅ビルで見かけるような若い女性に人気のブランドといったマスの認知度が高いブランドも見かけるようになりました。東コレの取材に行くと言うと、業界外の人からは「ガールズコレクション?」と言われるくらいあまり一般の認知度が高くなかった東コレが、こうしたブランドを迎えたりSee now, Buy nowの施策をしたり、消費者と繋がることで活気付いたことは確かです。

盛り上げているのは誰か。

実際にショー会場を回っていると、顧客やファン、ファッションに憧れを抱く若者を多く招待しているブランドとジャーナリストやバイヤーなど関係者のみを招待しているブランドでは会場の雰囲気がまったく異なります。ブランドによって向いている見せ方があるので良し悪しはないのですが、前者の方が熱気を感じるのは言うまでもありません。会場を満たす熱気は、憧憬や欲望から生まれるもの。ファッションウィークの盛り上がりには、そうした顧客やファンの気持ちが少なくとも貢献しています。

ブランドに限りはありますが東コレでは一般招待枠を設け、ショーを見たいと思う人が見ることができる環境を用意しています。私の将来の方向性を決定付けたとも言えるANREALAGEのショーも、この一般応募枠で当選して見に行くことができました。これに応募するのはファッションが大好きな人たち。ジャーナリストでもバイヤーでもインフルエンサーでもない、純粋なファンたちです。

今シーズンもこうした「学生招待枠」が設けられていました。錚々たるブランドのショーを見ることができるまたとないチャンスということで、メディアで発表があった時、私は心底学生に戻りたいと思いました。だって、ファッション業界にいたってなかなか見ることはできないんですから。大学の後輩や知り合いの学生の子達にも聞いて回ると、どうにかして見たい!との声。でも、どうすれば見れるの?との声も。確かに、応募フォームはどこにも見かけなかったような。

悲しげな表情を浮かべる学生を見て、当時の自分と重ねた私はいてもたってもいられなくなり、実際に招待された学生とは一体どこの所属なのだろう?と素朴な疑問を確かめるために現場へ。列を整備していたスタッフに話を聞いたところ、リストを見る限り、服飾系の専門学校から選んで招待しているとのことでした。

それを聞いて、とても寂しくなりました。「まだ、私たちは必要とされていないのか」と。

「若者の将来」の若者って?

私は服飾の専門学校でも美大でもない普通の大学を出て、いまこの仕事をしています。作り手ではなく、彼女ら彼らをサポートする側に回りたかったから、自分が持つ才能や特性は裏方にいることで最大限生かせるということを知っていたから、学ぶ道を選ぶ段階で、一般大学を選びました。ミシンもろくに使えません。パターンだって引けません。デザイン画なんて絶対に無理。それでも、別の関わり方でファッション業界に貢献できるのでは、という覚悟で足を踏み入れました。

例えば、ファッションジャーナリストになりたい。例えば、ファッションビジネスをやりたい。例えば、ファッション専門の弁護士になりたい。そうした思いを抱く若者は、服飾を専門に学ぶ若者だけではないのです。実際に、東コレを熱心に取材している学生は一般大学に所属する学生団体の子たちです。

私はもう学生ではありませんが、悲しそうな表情を浮かべ夢から少し遠ざかってしまった、ファッションが大好きな彼ら彼女たちの代弁を勝手にさせていただきたく、このコラムを書いています。

若者の将来のために夢を見せたかったのなら、もう少し門戸を広げてほしかったというのが正直な思いです。ファッション業界が必要としている若者ってそういうことか、と肩を落としてしまいました。今回のファッションウィークは盛り上がっていてよかったね、という声を聞きますが、私はちっともそうは感じません。見えない壁はまだまだ厚いなぁ、とため息をつきながらヒカリエから見える滲んだ夜景を眺めていました。

※写真は本文関係ないのですが、今シーズン個人的にグッときたルックたちです。

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