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写ルンですが写さない低解像度の思い出の話《水曜のケセラセラ》

こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》気づけば第20回目になりました。前回はパリコレ取材に連れてって!のお願いをしましたが、今回はこの夏出かけた島々を巡る旅で起きたハプニングのお話。

見知らぬ土地ほど、興奮と緊張と恐怖が入り混じった感情を掻き立てるものはありません。

何キロ歩いても構わない強靭な足なので、旅先ではついつい歩き過ぎてしまいます。スマホ、一眼レフがあれば面白いモノコトを捉えようとどんな小道でも直感に従いグングン進む。そんな好奇心旺盛具合は自分でも誇る長所なのですが、同じくらい間抜けなのが致命傷。

この夏、山口の角島、広島の大久野島、愛媛の伯方島、香川の豊島、直島、男木島の6島を巡ってきました。それぞれのエピソードは記事でご覧いただくとして、今回はスピンオフといったところです。

さて、先ほども言ったようにどこかアホをしてしまうのが致命傷の私。過去にはパスポートをコピー機に挟んだままリヨン→パリへ引っ越してしまい一週間も気づかなかったり、サロペットのショルダーをトイレにつけたまま(以下ご想像にお任せします)だったり、やらかしてしまうことがよくあります。

今回の島々を巡る旅も、例にもれずやらかしました。

一眼レフの紛失

一体どうやったらあんなに大きなものを忘れるんでしょうか。ドルフィンスイムをした伯方島から今治に戻るバスの中に置き忘れてしまっただけで、無事戻ってきたのですが、さすがに焦りました。(だって記事の写真を全部あれで撮ってるんだもの)

無くしていることに気づいたときにはすでに香川県松山に到着。次の日からは瀬戸内国際芸術祭や男木島を回ろうと思っていたのに「これでは写真が撮れない…!」

そう焦った私は原点回帰。インスタントカメラ「写ルンです」で撮ることを決めました。慌てて近くのコンビニに駆け込み、残っていた2つをゲット。「最近は売れないから入荷があんまりないんだけどねぇ」と物珍しそうに売り場を案内してくれたおじさんに感謝しながら松山港へと向かいました。

低解像度の思い出

インスタントカメラと言いつつも、実は光の調節や視点を合わせるのが難しいんです。フラッシュを焚こうにも強烈な光にちょっとためらってしまって、結果焚かずに真っ暗に写ってしまったり、全然インスタントではない。一筋縄ではいかないのだけど、このザラザラとした質感が、綺麗すぎる写真に見慣れてしまった私たちにとって斬新なものに写るんです、ね。

現像するまでちゃんと写っているかわからない。この間の写真を待つドキドキって、ファッションショーで服を見てから実際に袖を通すまでの半年間待つ感覚に、ちょっと似ているような。鮮明だった記憶がどんどん曖昧になって「あれ、こんな形だったっけ?」「こんな色してたっけ」「やっぱり素敵だなぁ」と、どんどん低くなっていく思い出の解像度が、実物を見た瞬間にふわっと一定値まで戻るあの瞬間。そこには写ルンですには写しきれなかった思い出がじんわりと浮かんでくるような気がするんです。

島々を巡った低解像度の思い出をぜひご覧ください。ここはどんな空間だったか、どんな音や匂いがしたのか、想像してみてください。

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豊島にある「檸檬ホテル」はカップルで楽しむアート、というか、空間というか、愛というか。ちょっと酸っぱい気分になるけど一人でも楽しめます。

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「心臓音のアーカイブ」の目の前にある砂浜にて爆走する若者たち。真っ暗闇の空間から解放された後の水平線は異常に広く遠く感じました。最高の夏感がすごい。

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港へ戻る途中の坂が楽しかったので無人スーツケース遊び。無論、倒れます。

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吸い込まれていきそうな豊島美術館のミュージアムショップ。MOTHERの世界っぽい。どせいさんがでてきそう。

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中から見るとまるで宇宙船。

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豊島からフェリーにのって直島へ。この旅でフェリーに乗ること9回。やっぱり外が気持ちよすぎて、日焼けも気にせず甲板で寝ていました。

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直島で出迎えてくれたのはあの有名なかぼちゃ。間近で見ると異物感と迫力がすごい。

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港のすぐ近くにある作品「直島パヴィリオン」はジャングルジムのように中に入れます。ここでお弁当でも食べようと思っていたら、島民の小さな坊ちゃんと仲良くなって汗だくになって遊ぶことに。どうやらインスタントカメラに触れたのが初めてだったようで、とても気に入っていました。アートと世界中からやってくる個性的な人々に囲まれ、彼の感性はどう育つのでしょう。直前まで「二十四の瞳」を読んでいたからか、どうか無事に大きくなってほしい….と謎の母性が働いたのでした。

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銭湯でひとっぷろ浴びた後、旅の振り返りをしながら港から眺めた夕日。ほんの少しだけ太陽が島から顔を出していて、沈んでいく瞬間を箸を止めて観察。目を閉じれば今でも世界を包み込むようなオレンジ色が浮かんでくるようで、写ルンですが写さない脳裏の思い出を噛みしめながら、今日も都会で生きています。

旅中のBGMはもっぱら木綿のハンカチーフ。

Text : Azu Satoh

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