LIFE & CULTURE
2016年版・”越境レディ” に相応しい本まとめ【洒脱なレディ論】
忘年会やクリスマス、カウントダウン、初詣、など年末年始のイベントに胸を踊らせながらも、残り約1ヶ月半、今年の自分を省みる時間は用意している?そこで、どのライフステージにいてもきっと共感してもらえる書籍をまとめてみました。 “越境レディ” に相応しい一冊としてあなたならどの本にする?
『 情熱がなければ伝わらない! アタッシェ・ドゥ・プレスという仕事 』
ファッションを伝えたいすべての人の必携書
著者:伊藤美恵
ジャンル:産業研究
アタッシェ・ドゥ・プレス育成スクール、M.I.Cの学長・伊藤美恵さんはファッションデザイナーとして活躍後、アタッシェ・ドゥ・プレスに転身。自身のキャリアで日本進出に尽力したブランドは、MARNI、BALLY、MAX&Co.、VIVIENNE WESTWOOD、MARC JACOBS、PAUL&JOE、FOREVER 21…と挙げたらキリがありません。それらの経験を生かし “伝える” ことの本質を、本書を通じて説かれています。
ちなみに実弟はなんとYMOの高橋幸宏さん。ご兄弟や豪華な交友関係が垣間見えるインスタグラムでは、ダンディなファッションセンスもたびたび披露。
『 蜷川実花になるまで 』
実録:写真家になるために蜷川実花でいるために、これをした
ジャンル:エッセー・随筆
極彩色で知られる、日本を代表するアーティスト・蜷川実花さん。写真家としてはもちろん、複数の映画を監督したり、M / mika ninagawaで洋服作ったり、つい先日もすみだ水族館で「蜷川実花×クラゲ」コラボレーション展示をリリースしたり、2020年オリンピック・パラリンピックでは大会理事としても!活躍の場は広がり続けています。
そんな彼女が写真家になるまで、写真家になってから写真以外の分野に手を広げ今日に至るまでのことが口語体で綴られています。サクサク読み進められてしまうので、思わず隣で蜷川姐さんに人生相談でもしているかのような感覚に。
『 Nasty Galaxy 』
Girls be “GIRLBOSS” !
筆者:Sophia Amoruso
ジャンル:Graphic Design
破産のニュースが飛び込んできた(!)けれども、現代版アメリカンドリームと称されていた時期もあったNasty Galの創設者、ソフィア・アモルソ。学歴なし、金なし、コネなし、おまけにちょっとヤンキー気質。その彼女は、今やレディスECのパイオニア的存在。処女作『#GIRLBOSS』は日本語版も出版され本屋さんで手に取った方もいるのでは?『Nasty Galaxy』は、GIRLBOSSの定義でもある “自分の人生を自分で決める人のこと” を地でいきながら、各フィールドで活躍する女性をフィーチャーしたGIRLBOSSの決定版。
彼女がホストを務めるポッドキャスト《Girlboss Radio with Sophia Amoruso》も配信中。豪華ゲストに触発されてあなたがGIRLBOSSになる日も近いかも?
『 コッコロから 』
” 私、恋って、どっか美人だけがするもんだって思ってた “
著者:佐野洋子
ジャンル:小説
以前、某モード誌編集長も読むべき本に挙げていたこの小説。サクッと読める可愛らしい若い男女の恋愛小説です。相手の見た目や肩書きに惑わされない “純朴な” 主人公・亜子ちゃんに、読後、誰もが “コッコロ” 奪われることでしょう。『百万回生きたねこ』の作者でもある佐野さんの挿絵も必見です。
『 純情ババァになりました 』
” わかり合うのが無理でも、分かち合う。もっと励ましあう “
著者:加賀まりこ
ジャンル:演劇・舞台
『月曜日のユカ』に代表されるように、和製BB(ブリジット・バルドー)と称された若き日の加賀まりこ様。ROBE世代の私たちにとっては『花男』道明寺司の母親・楓役の印象でしょうか。当時のコケティッシュな風貌はもちろん、自由奔放で大胆な彼女らしいエピソードが詰まった半生を綴った一冊です。1,000万円抱えてパリに豪遊しに行ったり、イヴ・サンローラン本人にオートクチュールを依頼したり。どれも浮世離れした自慢話かと思いきや、読み進めるとこれ以上ない人情話になってくるから、あら不思議。
『 結婚のずっと前 』
” だいじょうぶ、ちゃんと幸せになれるよ “
著者:坂之上 洋子
ジャンル:倫理学・道徳
最後はこちら。経営ストラテジストとして第一線でご活躍している坂之上洋子さんが、いまから5年前に出版された詩集。働く女性を中心に、共感が共感を呼び2016年10月現在では第14刷というロングヒットを記録しています。
女性のライフステージに合わせた章立てになっており、カメラマン野寺治孝氏の美しい写真たちがそれらを引き立てます。友人へのちょっとしたギフトとしても◎。
おさらい
- 情熱がなければ伝わらない! アタッシェ・ドゥ・プレスという仕事 / 伊藤美恵
- 蜷川実花になるまで / 蜷川実花
- Nasty Galaxy / Sophia Amoruso
- コッコロから / 佐野洋子
- 純情ババアになりました / 加賀まりこ
- 結婚のずっと前 / 坂ノ上洋子
仕事とイベント事での忙しい日々も、あったかいコーヒー片手にぬくぬく読書する時間があってこその楽しみになるかもしれませんね。最後にこちらの言葉を。
どうしたらいいかわからず悩む時には
自分で色々考えず
友人の意見だけに頼らず
本をたくさん読むといいよ
同じことで悩んでいた人に
必ず出会えるからその人たちが
もがいて苦しんで出した答えや考え方に目から鱗が落ちる瞬間がきっとある
その時なにかが変わるんだ
(『結婚のずっと前』より)
【 洒脱なレディ論 】とは
映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。
Text. Midori Tokioka (@mdrtkk)
Illustration. Sandra