LIFE & CULTURE
2018年最初の映画には究極を“美”を。映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」
ニコール・キッドマン、ミシェル・オバマ前大統領夫人、そしてアイリス・アプフェルなど、世界のセレブリティやファッション・アイコンが愛して止まないファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテン。密着取材を頑なに断ってきたドリス初の密着ドキュメンタリーがついに来年1月本邦公開が決定です。新年に究極の “美” の世界を目の当たりにしてみて。
これまで、殺到する密着取材を断ってきた孤高のファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテン。カメラはパリのグラン・パレで開催された2015春夏レディース・コレクションの舞台裏から、オペラ座で発表した2016/17秋冬メンズ・コレクションの本番直後までの1年間に密着。半年間かけて準備した努力の結晶であるショーの舞台裏はもちろん、アトリエ、刺繍工房など創作活動の全貌を明らかにする。ドリスのユニークな創作活動を支えるインスピレーションの源であるアントワープ郊外の邸宅にも初潜入。季節ごとに表情を変える花園や家庭菜園をドリス自らが案内し、採れたばかりの野菜を手際よく調理する貴重な映像も収められた。美しいものを愛し、スキャンダルとは無縁で、何事にも全力で取り組む完璧主義者の彼がのぞかせた意外な素顔とは。
解禁されたばかりの予告編は、“すべては自由なクリエイションのため”に広告を否定しスポンサーを持たない唯一無二のファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンならではの美しき服作りへの知られざるインスピレーションの源を垣間見ることができます。美しい生地サンプルや多くのデザインに囲まれ「じっくりと味わえる服をつくりたい」と徹底した姿勢で取り組むドリスのデザイナーとしての姿や、15年越しのオファーが実現したパリ・オペラ座でのショーに向けてひたすらに突き進む様子は、予告編にも登場するアイリス・アプフェルの言葉を借りるなら『彼は宝物よ』という言葉の通り。
一方、芸術品に囲まれたアントワープ郊外の邸宅の庭園に咲き誇る鮮やかな花で部屋を美しく彩るなど、私生活では花に没頭する一面を覗かせる。これまで多くの取材を断ってきたドリスに「そこまで取材する?」とはにかませるなど、彼の内面にまで迫った貴重なドキュメンタリーとなっている本作。
監督は映画「マグナム・フォト 世界を変える写真家たち」でも知られるライナー・ホルツェマー。3年に及ぶ取材交渉(!)の末にドリスから撮影許可を取り付けたそう。そして音楽を担当するのは、コリン・グリーンウッド。レディオヘッドのベーシストとして名高い彼は、これまで2013年にドリスの2014SSレディース・コレクションで音楽を担当している(当時の映像はこちら)。ランウェイを飛び出しドキュメンタリーでドリスの “美” をどこまで音で昇華させてくれるのかも、耳をすませていただきたい。
「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」
監督:ライナー・ホルツェマー
音楽:コリン・グリーンウッド(レディオヘッド)
出演:ドリス・ヴァン・ノッテン、アイリス・アプフェル、スージー・メンケス
配給:アルバトロス・フィルム
2016/ドイツ・ベルギー/ドイツ語/カラー/ビスタ/93分
公式サイト
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1月13日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
© 2016 Reiner Holxemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE
text. Midori Tokioka