LIFE & CULTURE
靴を武器に戦う女たち。フレンチミュージカル『ジュリーと恋と靴工場』は9月23日新宿ピカデリーほかで公開
『ラ・ラ・ランド』はじめ『The Greatest Showman(2018年2月日本公開予定)』『メリー・ポピンズ・リターンズ(日本公開未定)』など、ミュージカル映画が復活の兆しをみせる昨今の映画界。その系譜に、ジャック・ドゥミの名作『シェルブールの雨傘 (1964)』『ロシュフォールの恋人たち (1967)』を彷彿とさせる現代のフレンチ・ミュージカル映画が、新たに刻まれることとなりそうです。
最後に ★試写会プレゼント のお知らせもあるのでお見逃しなく!
監督から小道具までとことんフレンチ!
監督は、本作で長編デビューとなるポール・カロリとコスティア・テスチュ。今年のパームスプリングス国際映画祭で新人監督賞にノミネートされ話題となった新鋭コンビです。そして、仕事や恋に悩む女の子・ジュリーを演じるのは、『EDEN/エデン』での記憶も新しいポーリーヌ・エチエンヌ。不器用でちょっと捻くれつつも、まっすぐとした瞳と行動力はもちろん、ムチっとした太ももまで気づけばなんだか共感してしまう主人公を好演しています。
また、映画の舞台となったフランスのロマン市は、元米大統領夫人ミシェル・オバマ御用達のロベール・クレジュリーや、かつてはシャルル・ジョルダンの工場もあったという、いわば高級靴の生産地。実際に劇中で使われている靴や靴箱も、現地で作られたものが使われているというこだわりっぷりは、色合いの美しさや全編通じて漂う品の良さに一役も二役も買っているはず。靴好きは見逃すわけにはいきません。
ヌーヴェルヴァーグが現代に昇華されたとしたのなら
この物語では、現代社会が抱える問題が物語を左右していきます。ひとつは原材料を安くするため、国内工場を閉鎖し中国へ切り替えようとする経営陣、それを食い止める現場という構図。まあ、結局は工場閉鎖は食い止められるので、その一連の流れさえ、某国大統領への皮肉のように勘ぐってしまうわけですが。
また、物語後半、工場閉鎖反対を訴えるため、工場の女性たちは反撃にでます。かつての人気商品の真っ赤な靴(「戦う女」という商品名がつけられている)をレジスタンスの象徴として、フランス全土にいる影響力のある女性たちにプレゼントするのです。女性たちは次々に「戦う女」をSNSで拡散し、メディアを巻き込む一大ムーヴメントとなっていきます。その一貫した流れ、インフルエンサーマーケティングの定石ではないですか!
その中で喘ぎもがく冴えない20代女子が直面する、就職難や恋愛。それらの問題を描きつつも、それでもどこか終始漂うユルさの所以は、自然豊かなロマン市というロケーションの力と、やはりミュージカル映画の力と声を大にして言いたいところ。
ラストシーンは賛否がぱっきり分かれそうなので、ROBE読者の意見が気になるところだけれども、そのラストさえ許容できてしまうことこそ、本作がヌーヴェルヴァーグはじめ、かつてのフレンチ・ミュージカルへの敬意を垣間見る色を持ち合わせていたからかもしれません。
あらすじ
田舎町に住むジュリーは、就職難の末ようやく高級靴メーカーの工場で試験採用を手にする。そんな中、靴職人の女たちは迫る近代化の波でリストラされることを恐れ、抗議のためパリの本社に乗り込み騒動を起こす。巻き込まれたジュリーはあやうくクビになりかけるが、ほのかな恋の予感も…。職人の意地とプライドをかけてアイデンティティを求める勇ましくたくましい 女たちとともに靴工場閉鎖の危機を乗り越え、ジュリーは本当の幸せを手にすることができるのか?
9/14 試写会プレゼント
9/23の公開まで待てない…!というROBE読者のために特別に10組20名様限定で試写会にご招待させていただきます。一足先にフレンチミュージカルを堪能できる貴重な機会、お見逃しなく!
◆試写会概要
・日時 9月14日(木) 18:30開場/19:00開映
・会場 新宿ピカデリー
◆応募方法
1)下記ツイートをRTする
2)ツイートに記載されているフォームから応募する → 完了!
※当選はプレゼント(試写状)にかえさせていただきます
※当落に関してのお問い合わせは一切お受けしておりません
※応募に際しての注意事項はフォームよりご確認ください
\✨試写会プレゼント✨/
????『#ジュリーと恋と靴工場』の公開を記念して9/14の試写会を、10組20名様に????
応募方法は、
1)このツイートをRTする
2)リンク先のフォームに必要情報を記入し、送信!https://t.co/TZF8LFUXAS応募は【8/29】まで???? pic.twitter.com/AvTh4Q7Krr
— ROBE (@robetokyo) 2017年8月1日
『ジュリーと恋と靴工場』
監督・脚本: ポール・カロリ、コスティア・テスチュ
出演: ポーリーヌ・エチエンヌ、オリヴィエ・シャントロー、フランソワ・モレル 他
提供: ギャガ、ロングライド
配給: ロングライド
サウンド・トラック: ランブリング・レコーズ
9/23(土)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開