LIFE & CULTURE
京都からスタート!2016夏は〈HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH〉でポール・スミスの秘密に迫る。
世界で最も著名なイギリス人デザイナーで知られ、ファッション業界でも知らぬ者はいない重鎮、ポール・スミス。デビュー以降、世界中のカルチャーに精通した彼から繰り広げられるクリエイションの数々は、現在に至るまで一向に枯渇する気配がありません。そんな彼のクリエイションの秘密をテーマにした展覧会が現在、京都近代美術館にて大好評開催中です。
『ポール・スミス展 HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH』は、2013年にロンドンのデザインミュージアムにて開催されました。その後ヨーロッパ各地を巡回し、この度満を持して日本へ上陸。全国3都市を巡る展覧会の最初の地・京都の京都近代美術館へ弾丸取材へ行ってまいりました!
お気に入りのアート作品を壁一面に堪能できる
サプールから「文化屋雑貨店」に至るまで、ありとあらゆる物事への興味関心が人一倍強いポール・スミス。自身のインスタグラムからも、好奇心の幅広さを伺うことができます。今回の展覧会の最初の章では、ポール氏自身がこれまで集めてきたアートワークの一部(おそらく一部ですが、一部かと疑いたくなるような膨大な展示数)を見ることができます。
壁一面に飾られたアンディ・ウォーホルら著名なアーティストの作品、落書き、雑誌の切り抜き、熱烈なファンレター、過去のポール・スミスのキービジュアル広告などなど、その数とバラエティの多さに圧倒されてしまうでしょう。
Paul Smithブランドのいちばんの立役者 “ポーリーン” というアモーレ
ポール・スミスは実は元競輪選手。10代の時の大怪我を機に選手生命を絶たれてしまいますが、その後出会ったのがファッションでした。
そのファッションの基礎を教えた女性こそ、のちのアモーレそして妻となる “ポーリーン” という一人の女性。当時ロンドンの芸術学校の学生だった彼女がいたからこそ、ポール氏はファッションデザイナーの道を歩み始めたのです。
展覧会ではデザイナーとして走り出した当時のロンドンでの第一号店と、パリでの初コレクションの様子を再現しています。
「彼女がいなければすべて実現できなかったでしょう。」だなんて、なんという幸せ者。千里の道もひとりのアモーレから?ポール氏も例外ではないんですね。
ポール・スミスの仕事場を再現
今回の展示では、これまで展覧会などでしか見ることのできなかった資料が数多く見られています。その一つがポール・スミスの部屋とポール・スミスブランドのオフィスの再現。前者はとにかく、物・物・物!初期iMacなんてなぜ置いてあるのか、わかりません……。溢れかえりそうなほどの物に囲まれていて、うっかり注意散漫になりそうですが、同時に、飄々と行き来するポール氏が目に浮かぶよう。
そのほか、世界中のショップのショーウィンドウをおさめたコーナーがあったり、過去のコラボレーションが全て展示されていたり、ポール・スミスの総てを味わい尽くすことができます。
また、会場でのオーディオ案内は、自身も英国留学経験があり、英国との親和性も高い俳優の松田翔太さんが務められています。
ブランドの裏側を知ることは、すでにファンの人にとっては思い入れをより一層強くする機会であり、これまであまり関わりのなかった方にとっては洋服の裏に隠された想いを受け取るまたとない機会です。
京都・東京・名古屋近辺のみなさまは是非、今夏ポール・スミス展へ。展示会は総て撮影OK!通常の展覧会ではまずあり得ない出血大サービスです。京都、東京会場では来場者全員に特別デザインのイヤホンが無料でプレゼントされるという嬉しい特典付き。(※名古屋会場は来場者先着1万名限り)
ポール・スミス展 HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH
《 京都会場 》
京都国立近代美術館(京都市左京区)
2016年6月4日(土)~7月18日(月)
《 東京会場 》
上野の森美術館(東京都台東区)
2016年7月27日(水)~8月23日(火)
《 名古屋会場 》
松坂屋美術館(名古屋市中区)
2016年9月11日(日)~10月16日(日)
Text. Midori Tokioka