「デカければいい」は間違い。ショップ店員に聞く、オーバーサイズTシャツの選び方と着こなし。



オーバーサイズTシャツの着こなし方

いまTシャツを着るなら、“ぴったり”よりも“ゆるっと”なオーバーなサイズ感を選びたくなるものです。でも鏡で見てみると、「なんか服に着られてない?」と不安になる瞬間もしばしば。どうすればトレンド感のある着こなしをできるのでしょうか?

そんな疑問を胸に向かったのは、置いてある洋服は大抵オーバーサイズな千歳船橋のセレクトショップ、LICLE。服同様「ゆるっと」な雰囲気を醸す店長・鶴田さんにお話を聞いてきました。

\教えてくれるのは、この人!/



鶴田 祐司(つるた ゆうじ)
1985年生まれ。三軒茶屋の人気セレクトショップに務めたあと、独立。千歳船橋でセレクトショップLICLEを立ち上げる。国内の気鋭ブランドのほか、現地で買い付けたヴィンテージウェアも取り扱い中。




オーバーサイズTシャツの魅力って?















山梨





今日はオーバーサイズのTシャツについていろいろ聞ければと思います。そもそもオーバーサイズが流行り始めたのっていつ頃からなんでしょうか?




















鶴田さん




僕の肌感覚だと4、5年前くらいですかね。そのあたりから色々なブランドが提案する服がオーバーサイズになり始めて、感度の高い美容師さんや俳優さんの間で着られるようになったイメージです。
























鶴田さん、ブーム初期から目をつけていました。「ちょっとミーハーだったかも(笑)」










山梨

ゆるっとした服のイメージが強い鶴田さんも、2014年より前はジャストサイズを選んでいた?







鶴田さん

そうですね。その頃僕がよく着ていた〈NEEDLES〉や〈ENGINEERED GARMENTS〉にも、まだオーバーサイズのアイテムはありませんでしたから。それまではむしろ、アメリカの服を日本人向けにサイジングしたものが多かったです。













山梨

感度の高いファッショニスタの間でオーバーサイズが流行り始めて、今に至るんですね。単刀直入に、オーバーサイズのTシャツってどんなところがいいんですか?







鶴田さん

上下のバランスが取りやすいんですよ。トップスが大きければ、あとは細いパンツを合わせればいいだけですから。差し引きが簡単なんですね。













山梨

確かにジャストサイズだとパンツが太いか細いかで迷いますけど、オーバーサイズの場合は細い方を合わておけば間違いなさそうですね。






オーバーサイズTシャツの魅力その①
今、まさにトレンドど真ん中

オーバーサイズTシャツの魅力その②
コーデのバランスがとりやすい!


オーバーサイズTシャツには理想の形がある






鶴田さん

とはいえ、ただデカければいい、というわけでもないとも思っています。













山梨

え、それはどういう意味でしょう?







鶴田さん

ブームが落ち着いてきたこともあって、最近はデカすぎず小さすぎずなシルエットが好まれているんです。













山梨

「デカすぎず小さすぎず」、具体的にどんなシルエットですか?






お手本になるTシャツはあとで詳しくご紹介。






鶴田さん

理想的なのは身幅広め・着丈短め。リラックス感はあるけど、ルーズすぎなくて、バランスも取りやすいんです。それなら細身のパンツだけでなく、ワイドパンツにも合わせやすい。













山梨

正方形に近いシルエットなんですね。ただデカければいいというワケではないと知れば、ほかにも色々気をつけることがありそう……。







鶴田さん

さっきの話にも繋がりますが、やはりドロップショルダー(※1)は不可欠。肩のラインが二の腕くらいにあるものが理想です。








確かに鶴田さんが着ているカットソーも、ドロップショルダー。袖丈は長め。






鶴田さん

それと、袖丈。ブランドさんによっても好みが分かれるのですが、子供っぽくなりすぎないのは肘が隠れるか隠れないかくらいの長さです。僕は好みで長めのものを選んでますが。













山梨

なるほど。







鶴田さん

あとは生地ですね。最近は“どアメカジ”な分厚くてガサガサしたものよりは、テロっとした中性的なものの方がトレンド。特有のリラックス感も強調できますし、着心地もいいので、選んでおいて損はないと思います。













山梨

なるほど! オーバーサイズと直接は関係ないかもしれないですが、Tシャツの首の詰まり具合も結構気になるんですよ。ダルダルなのはダメだとは分かっていても、詰まっているのも違和感があったりして。







鶴田さん

超個人的な話ですけど、僕は結構顔が大きい方で。そういう人が首が詰まっているTシャツを着ると、どうしても顔の大きさが強調されてしまうんですよね。だから、ちょっと緩めか、もしくはVネックやUネックを選んでます。そうじゃない方は詰まっていても空いていてもどちらでも問題ないと思います。













山梨

僕も顔が大きい方なので、それは参考になるな……。あと、LICLEさんではヴィンテージウェアも扱っていますよね?







鶴田さん

はい。













山梨

ヴィンテージのTシャツって、日本でいうとXLやXXLくらいのオーバーサイズが多いですよね。そういうTシャツと、もともと大きく着るために作られているものって、どっちがいいと思います?







鶴田さん

前者は先ほども言った「ただデカい」Tシャツに入ります。袖口まで大きくてバランスも悪いし、そもそも海外の人の体型に合わせているから馴染みにくい。着たときに「なんか違うな」と感じるはずです。そういうのを“あえて”着られるようになるまでは、ブランドが現行で手がけているオーバーサイズのTシャツを買うのがおすすめですね。








(※1)ドロップショルダー…肩のラインを腕側に落としたディテールのこと。


選び方ポイント①
狙い目の形は“身幅広め・着丈短め”

選び方ポイント②
肩のラインは二の腕にかかるくらいが理想!

選び方ポイント③
袖丈は肘が隠れるか隠れないかがベター

選び方ポイント④
生地は厚すぎない、“テロっと系”が◎





鶴田さん一押しのオーバーサイズTシャツ3選









山梨

今回はオーバーサイズTシャツに強いLICLEの中でも、特におすすめのものを用意していただいたんだとか。







鶴田さん

はい、3着ほど紹介できれば! まずは、初めての人から着慣れている人にもおすすめしている、〈JUHA〉のボーダーTシャツ。ドロップショルダーに身幅緩め・着丈短めの理想的なシルエットなんです。










JUHAのボーダーTシャツ ¥13,500(税込)







鶴田さん

ハンガーにかけていても分かると思いますが、もたつきが少なくて、とにかく着た時の“収まり”がいい。かつ、首元がダブルバインダー(※2)でへたりにくいので、ガシガシ洗ってもOKです。













山梨

確かに理想的なシルエットですね。へたりを気にせず洗えるのも、夏には助かる……。





〈roundabout〉のホッケーTシャツ ¥14,580(税込)







鶴田さん

次は〈roundabout〉。なんといっても、スポーティなホッケーシャツをベースにしつつ、ナチュラルなリネン混素材という意外性がいい。Vネックがやや広めに空いているので、顔周りもスッキリ見せてくれますよ。














山梨

顔周りをスッキリ!これは頼もしいですね。







鶴田さん

あと裾の長さが前後で違ったりと、シンプルなようでデザインも凝っている。使い勝手がいいので、実は僕も今インナーに着ているんです。













山梨

インナー、袖の長さがいいなと思っていたら、これだったんですね。最近見なかったVネックも、こうして見ると新鮮!






〈UN PORTABLE〉のTシャツ ¥18,144(税込)







鶴田さん

最後は、2019年の秋冬コレクションから正式にスタートする〈UN PORTABLE〉のTシャツ。写真のプリントもカラーコーティングも全部手作業でやっているから、一枚一枚微妙に仕上がりが違うんです。














山梨

絶妙に違いますね。







鶴田さん

そういう一点モノの雰囲気も愛着が湧きますし、タグにブランドのサイトのQRコードが付いていたりと、デザインも面白い。好き嫌いは分かれますが、ちょっと派手めなものが気になる方にはおすすめです。













山梨

これは攻めてますね。手仕事の温もりも感じられて、Tシャツなのになんだかアートピースみたいです。





(※2)ダブルバインダー…襟周りを補強するための特殊な縫製方法「バインダー」を2箇所に行うこと。手間がかかる分、襟周りが伸びにくくなる。


QRコードを読み込むと、検索では引っかからないブランドサイトに飛ぶ。なんだかワクワクしますね。






オーバーサイズTシャツ、どう着こなすのが正解?









山梨

ここからは、オーバーサイズのTシャツの着こなしの話を聞いていければと。まず気になるのはパンツとの兼ね合い。先ほどは“身幅広め・着丈短め”ならパンツのシルエットを選ばないとおっしゃっていましたよね。





「そうですね」







鶴田さん

基本的には問題ないと思いますが、もし長かったらタックインするイメージでいいと思います。














山梨

ちなみに長い・短いってどう判断すればいいでしょう?







鶴田さん

鏡で全身を見て、「なんかもたついているな」と思うかどうかですね。いくらリラックス感が魅力とはいえ、脱力しすぎるのはだらしなさに繋がりますから。いかに上品さを残すかがポイントです。













山梨

なるほど。「最近ちょっと太ってきて、体型が気になる」という方が挑戦する場合はどうでしょう? タックインは難しいですよね?







鶴田さん

その場合は、適度にゆとりを持たせつつ、パンツはリーバイスの「501」(※3)のような細すぎず太すぎずなものを持ってくるといいと思います。あとは膨張色を着ないことですね。ただ……。













山梨

ただ?





「…」







鶴田さん

個人的な考えですけど…。体型が気になる方はTシャツよりもシャツの方がいいと思うんです。そういう方はカジュアルすぎない方が似合うというか…。僕としては、オーバーサイズのシャツを着るのをおすすめしたいです!














山梨

前提が覆りましたね(笑)。ただ、僕も恰幅のいい人ってシャツが似合う方が多いなと思います。 あと、夏真っ盛りの取材なので一枚で着る前提になっちゃいましたけど、秋冬で上から何かを羽織る場合はどうでしょうか? これからのロンTやスウェット選びにも関わってくるかと。







鶴田さん

実はそこが一番難しいんですよね……。










「うーん…」









山梨

というと?







鶴田さん

アームホール(※4)がアウターに干渉するんですよ。だから実はオーバーサイズのTシャツとアウターって相性が悪くて。













山梨

確かに。袖がゆったりしている分、カーディガンやジャケットの肩部分でギユッとなっちゃいますよね。







鶴田さん

あれ、単純に不快感がすごいんです(笑)。だから僕、オーバーサイズのTシャツやスウェットを着るときは、アウターも大きめに作られているものを羽織るようにしています。













山梨

アウターもインナーのサイズ感に合わせるんですね。







鶴田さん

最近はアウターも大きめに作られているから、タイトなものを選ばないようにすればいい。とはいえ、試着の際にはいつもよりも肩周りに気を配ってほしいですね。









(※3)リーバイスの「501」…リーバイ・ストラウス社が1890年に開発した、デニムパンツの元祖ともいえる存在。太すぎず細すぎない適度なストレートシルエットが特徴。

(※4)アームホール…袖と身頃(胴部分)を縫いつけている部分。一般的には、ここが広いほど、腕周りにゆとりが生まれる。




オーバーサイズTシャツを使ったコーデ2選


1.晩夏に試したい、ベストとのレイヤード


ベストもトレンドアイテムということで、まさに今真似したいコーデ






鶴田さん

オーバーサイズのホッケーシャツの上から〈CURLY〉のベストをレイヤードしました。先ほどの“アームホール問題”も、このベストならゆったり作られているので安心です。













山梨

ベストはかなり使い勝手が良さそうですね。手軽に物足りなさを解消できる点もポイントが高い。ボトムスはいかがでしょう?







鶴田さん

ボトムスはリーバイスの「517」というブーツカットモデルを元にしたパンツ。この形はまだトレンドとは言えないですが、ブーツカットって「脚が一番綺麗に見える形」と言われていて、実はオーバーサイズのTシャツとも相性抜群なんです。ぜひ試してほしいですね。








2.プリントT×チェックパンツの上級者スタイル


インパクト重視でいくならコレ。ピンクって案外使いやすそうです。






鶴田さん

〈UN PORTABLE〉のプリントTシャツに〈Wrangler〉のチェック柄のブーツカットパンツを合わせました。これ、チェック柄とプリントTシャツは相性がいいよという例です。













山梨

意外と馴染むものなんですね。







鶴田さん

そう。特に千鳥格子のような細かいチェック柄は着ると思ったよりもうるさくなくて、ちょうどいい存在感なんです。そして何よりブーツカット。もしトップスが小さくてもハマるくらい万能なので、しばらくはうちでゴリ押ししていきたいなと(笑)









店内に戻ってもブーツカットの良さを力説する鶴田氏。おまけに、セールスも。「山梨さん、どうですかね。これいっちゃいましょうよ!」



【番外編】 体型が気になる方におすすめの、シャツコーデ



鶴田氏の好意で組んでくれたオーバーサイズのシャツコーデ。






鶴田さん

先ほどの話にも出てきた、体型が気になる方におすすめのシャツコーデです。トップスのストライプ柄が細見えなアクセントになった、オーバーサイズのシャツを合わせました。













山梨

ストライプで細見え効果を狙う!これテストで出るやつですね!!







鶴田さん

ボトムスにはドレッシーだけど、適度にユルい、2タック入りのテーパードトラウザーをチョイスしました。TPOを選ばない、清潔感重視のスタイリングです。









最後まで熱弁。「このねぇ、肩で切り替わったストライプがたまんないんですよー」



〜おわり〜





LICLE
住所:東京都世田谷区船橋1-38-10 ロータス千歳船橋1F
営業時間:13:00~21:00

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