年末年始に見たい映画まとめ【洒脱なレディ論】

前回の2016年のうちに読んでおきたい “越境レディ” に相応しい本まとめに続き、今回はお籠り映画をご紹介。それぞれの映画でキラリ活躍を見せたレディ達とあわせてどうぞ。ディスクを買ったりオンラインで購入するも映画館に足繁く通うも良し、魅力的なレディに出会えますように。

 

聖の青春 (2016)〉 の村山トミ子


監督:森義隆
キャスト:松山ケンイチ東出昌大 ほか


聖の青春

東の羽生西の村山と並び称されるも29歳という若さで亡くなったプロ棋士・村山聖の亡くなる直前の4年間を描いた同名小説が満を持して映画化。登場シーンは多くないものの強い印象を残したのは、母・村山トミ子役の竹下景子さん。自分の看病不足で幼少期に息子を重病にした自責の念に駆られ続ける苦しみ、病床の村山聖へかける悲痛の言葉は思わず胸を締め付けられます。第29回 東京国際映画祭クロージング作品。

 

ブルーに生まれついて (2015)〉 のジェーン


監督:ロバート・バドロー
キャスト:イーサン・ホークカルメン・イジョゴ ほか


borntobeblue

劇場放映を待ち詫び早1年。原題〈BORN TO BE BLUE〉直訳の邦題に少々首を傾げながらも、騙されたと思ってまず劇場へ。大衆受けというエンターテインメント要素と合わせつつも、実在人物チェッド・ベイカーの波乱に満ちた人生を通して、究極の問いを容赦なくぶつけてきます。華やかに見えるステージ上で繰り広げられた衝撃のクライマックスに、ジェーンは突如悲劇のヒロインに。チェットの選択をハッピーエンドと見るか否か、それはあなたの価値観次第かもしれません。昨年の第28回 東京国際映画祭招待作品。

pk (2016)〉 のジャグー


監督:マラージクマール・ヒラーニ
キャスト:アーミル・カーンアヌシュカ・シャル ほか


pk

きっと、うまくいく〉ですっかり日本中を虜にして止まないマラージクマール・ヒラーニ監督の最新作。「神様を探す」という突拍子もないpkの目的のもと、ありとあらゆる宗教・神様に切り込んでいく話は、痛快と感動の嵐。ヒロインとしてテレビ局のレポーター役を務めるのは、モデル出身のアヌシュカ・シャル。スラリとしたプロポーションと気さくで天真爛漫な表情に、静止画じゃ伝わらない!という数多のレビューも納得。

写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと〉の亡き奥さん


監督:トーマス・リーチ


saulleiter

Harper's BAZAARをはじめ80年代にファッションフォトグラファーとしてNYを中心に大活躍をした名写真家のドキュメンタリー。絶頂期に突如ファッションフォトグラファーを引退したのちはほとんどメディアにも顔を出すことがなかったとか。その彼が劇中でちらりと見せたのは丁寧に写真に収められた亡き奥さんの姿。

華やかな職種・業界から自ら離れ、自らの視点で切り取り続けた光の魔術師は、フィルムの特性も相まって非常に温かみのある写真ばかり。彼が生きていたら今のアメリカをどう切り取るだろう、とつい思ってしまいます。独特の口調に字幕を当てるのは英語翻訳の第一人者・柴田元幸さん。

Mommy (2014)〉 のダイアナ


監督:グザヴィエ・ドラン
キャスト:アンヌ・ドルヴァルアントワーヌ・オリヴィエ・パイロン ほか


mommy

家族円満な幸せのステレオタイプは描こうとしない、俊英なドラン様の描く家族愛の形。母ダイアナがスティーヴに厳しくも愛情深い接し方は、母と息子という複雑な関係性の象徴のよう。

劇中でオアシスの〈ワンダーウォール〉が流れる瞬間に、どうしようもなく世界が愛おしく感じられるはず。「特別な感情が呼び覚まされた」とドラン自らが意図的に撮影した1:1のアスペクト比の映像も、インスタ世代の私たちにはむしろ見慣れた光景?視界よりも狭い範囲のみ映し出す映像に、思わずわたしたちは見えていない部分への思いを馳せるはず。

カンヌGPを獲得したことでも記憶に新しいドラン様の最新作〈たかが世界の終わり(原題:Juste la fin du monde / It’s Only the End of the World)〉は来年2月11日公開。見逃せません!

レント (2005)〉 のミミ


監督:クリス・コロンバス
キャスト:アンソニー・ラップアダム・パスカル ほか


rent

NYイーストヴィレッジで繰り広げられる本作は、これまでのミュージカルでは触れられてこなかったセクシャルマイノリティやHIV/AIDSなどに切り込んだ貴重な作品。ヘロイン中毒であるゴーゴーダンサーのミミも例外ではなく、自堕落な生活の挙句ホームレスに。憎めないからこそ滲み出る人間性とスタイルに不思議と女子は憧れてしまうはず。

そして驚異の300曲(!)作曲されたと言われる楽曲たちはどれも胸をえぐるものばかり。〈Seasons Of Love〉〈Rent〉〈Take me of leave me〉〈Finale B〉……、挙げればきりのない語り継がれる名曲に酔いしれて、今年残りも悔いなく過ごすのが吉。


東京ゴッドファーザーズ (2003)〉 のミユキ


監督:今敏
キャスト:江守徹梅垣義明岡本綾 ほか


tokyogodfathers

新海誠監督にのめり込んだ今年の年の瀬こそ、今敏監督はいかが。〈ホームアローン〉〈ポーラーエクスプレス〉と並び年末アニメ御三家の一角。父親を刺し殺したことから家出少女(ホームレス)となった厭世観たっぷりのミユキがクライマックスで叫ぶ「同じ命は二度と無いんだよ!」という言葉は、毎年年末に思い返したい一言。

46歳という若さでこの世を去った今監督の作品(〈パプリカ〉〈千年女優〉〈パーフェクトブルー〉)はどれもずしりと心をかき乱すものばかり。一気見しようなどという無謀な事はくれぐれもしないように。



 

キャロル (2015)〉 のキャロル


監督:トッド・ヘインズ
キャスト:ケイト・ブランシェットルーニー・マーラ


carol

原作は〈太陽がいっぱい〉でも知られた小説家パトリシア・ハイスミス同名小説。ハリウッドを代表するケイト・ブランシェットルーニー・マーラそれぞれの美しさは説明不要。主演女優賞や助演女優賞、衣装デザイン賞をはじめ計6部門でオスカーノミネートされた今作が受賞できなかったのは、〈マッドマックス4 怒りのデス・ロード〉と運悪く同年となってしまったが故。人妻でありながら魅惑的にヒロインを虜にするキャロルに、きっと誰もが隠している感情に気づいてしまうかもしれません。

 

おさらい



  1.  聖の青春 / 森義隆 ★

  2.  ブルーに生まれついて / ロバート・バドロー ★

  3.  pk / マラージクマール・ヒラーニ ★

  4.  写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと / トーマス・リーチ

  5.  Mommy / グザヴィエ・ドラン

  6.  レント / クリス・コロンバス

  7.  東京ゴッドファーザーズ / 今敏

  8.  キャロル / トッド・ヘインズ


★は2016年12月8日現在公開中


洒脱なレディ論 とは
映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。

Text. Midori Tokioka (@mdrtkk)
Illustration. Hitomi Ito



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