ショップ店員が行く、気になるあのお店 〜コンセプトがないセレクトショップ「store a」〜

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お店の中の人のお店訪問


ネットで見てはいるものの、なかなか行く機会がないお店。そんな両者を突き合わせたのが今回の企画。題して「ショップ店員が行く、気になるあのお店 」。やっぱり他のお店に行っても話の中心になるのは洋服?それとも業界人ならではの話?

まずは前編。自身のブランド『GROUPIE(グルーピー)』をメインに国内ブランドもセレクトする代々木上原 sunday peopleの吉村さんが、新宿御苑 store aに訪問。いわばお店の人の社会科見学、その様子を伺った。




—どうです?初めて来てみて。

吉村(以下、Y):いやー新鮮(笑)。普段他のお店に見にいかないこともあって。

一明(以下、I):それはありますよね。

Y全然いかないっすよね。でも今は興味津々(笑)。

I:楽しいっすよね。

— 実際、同業者の方が来ることはあるんですか?

I:ありますよ。例えば、それこそ大手セレクトショップの方もいらっしゃいますね。

Y:あれ、うちは全くないですよ。

I:吉村さんのところは「かっこいい」お店じゃないですか。

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store a / 一明(オーナー)前職は中目黒の某セレクトショップでバイヤー兼店長を担当。その後、新宿御苑にstore aを構え、今年で3年目。ユニセックスの提案で男女ともに多くの客を集める。


Y:ちなみに最近、そういう話を近所の古着屋さんとするんですけど、結構芸能人とか来るらしいんですよ。うち誰も来ないすもん。もっと住人の方とか来るのかなーと思ってたんですけど、思ってたよりも来ない(笑)。

I:情報が届いてないんじゃないですか?

Y:まぁそういうことなんでしょうね。

I:それがかっこいいんですけどね。

Y:かっこいいじゃ済まされないレベルですよ(笑)。

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sunday people/吉村さん(オーナー)前職は某レディースブランドでMDを担当。コラボ企画立案や直営店のイベント企画&運営&VMDなど、多岐に渡って活躍。現在は『GROUPIE』のデザイナーの傍ら、セレクトショップであるsunday peopleを運営。


I:本当はそんなことをやりたかったんですけどね。

Y:自分は逆(笑)。

I:いいじゃないですか。スタンスとか、そういう形でやりたいっすけどね。

Y:いやいや、ないものねだりになると思いますよ。やってみたら。

I:でも、かっこいいじゃないですか。それでうちは看板出すのやめたんすもん。

— やめたというか…小さい(笑)。




小さい看板のお店にある、大きいサイズのコート

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Y:まぁ看板なくても全然わかりますもんね。気づかれた方、いらっしゃるんですか?

I:いや滅多に。でも今っぽいでしょ…(笑)。でもちゃんとしないとですね。

Y:いやいや、ちゃんとしてるじゃないですか。

(BGM下げてもらっていいですか?)

I:もちろん。これ、音楽プレーヤ―なんですけど、僕すごい疎いんですよ。MP3でしたっけ。あーいうの全くわからないんですよね。最近やっと店にwifi通せたぐらいで。Bluetoothとか意味わからないんですよ。だからこれ、CDで流してます。

Y:CDなんすね。これまたスタイリッシュな。(店内、物色中)

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I:それ似合いそうですね。

Y:これっすか。

I:かわいいです。

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— パッと見た感じ、どうですか吉村さん。

Y:やっぱりうちでもいくつかやっているもの、仕入れているブランドが同じところもあって。あと、すごい気になるのがこれ。

I:『FIRMUM(フィルマム)』ですね。

Y:すごい気になってます。

I:結構、売れちゃって。これ完全なユニセックスなんですけど。

Y:男女問わず?

I:一応、そうなんですよ。

Y:ちなみにうちはもうユニセックスと言うと女性は買わなくなるんですよ(笑)。

I:えっ、どういうことですか?

Y:上原の特性かもしれないんですけど、男女着れるってなると男性も着れる服を着たくなくなる。

I:へぇ、面白い。地域で差があるんですね。男性は?

Y:男性はステータスを気にするんですよ。あとは服のディテールだったり、どこどこ製であったり。

I:そうそう。女性の方は知らないブランドでもあまり気にしないですね。

Y:女性の方が流れが早いというか。ずっとそのブランドが好きとかじゃなくて、新しくて気に入ったものがあったらOKみたいな。

— 恋愛もそのようによく言われますよね。男性はフォルダ保存。女性は上書き保存。

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Y:そうそう、これこれ。store aさんのインスタとかFACYでの投稿で気になってた。ブランド名もいい感じだし、程よいなぁと感じがしてて見てみたいなって。

I:これがFIRMUMのオーバーサイズのコートです。いいでしょ。

Y:売れそうな匂いしかしない。

I:でも、それはバイヤーとしての目線かもしれないです。これ結構、意外と普通の人が見ると嫌がるんですよ。「おじいちゃんみたい」って。

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FIRMUMのコートを着用する吉村さん


Y:あー。

I:でも、個人的には逆にそれがよかったり。

Y:これおいくらなんですか?

I:54,500プラス消費税です。

Y:安っ!でも、そんな反応が来るんですね。

I:そう。かわいいんすけどね。吉村さん、めっちゃ似合ってます。

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Y:これ全然男性だけでなく、女性でもイケますね。

I:イケます。XSっていうサイズ展開があって、それがレディースなんです。自分の中で価格とモノのバランスがいいものを置くっていうのがあって。どうしてもそういうアイテムが増えちゃうんです。

— 置いていらっしゃる『Yoko Sakamoto(ヨウコ サカモト)』も。

Y:Yoko Sakamotoってどういったブランドなんですか?

I:関西のブランドさんです。全体的にビッグサイズですね。

Y:(ゴソゴソ)おぉ、これも良いバランス。むしろ安いっすね。




天邪鬼なスニーカー

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I:これは『C.QP(シーキュピー)』。僕自身がけっこう天邪鬼なんでこういうの好きです。

Y:あーこれ、うちでも扱ってるんですけど、何と言っても値段に対するクオリティーが高いんですよね。たぶんこの値段帯のブランドの2/3くらいで抑えているんじゃないかな。

I:いいっすよね。人が履いているのを羨ましく思いつつも、結局人が履いてないものが欲しくなる。

Y:すごい思います。C.QPはそのポジショニングでいいところいってますよね。それがうちでも取り扱う理由。本当に誰も知らない。

I:でも本当に誰も知らないから、誰も探しに来ない。

一同:(笑)

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C.QPのスニーカー


Y:この一枚革っぽい感じ、良いっすよね。どうですか、売れてます?

I:これを目がけて来た方はほぼ買っていきますね。

Y:うちもそうかな。みんな「いいっすね」って言ってくれますね。

I:いまは自分も追加で何色買おうかなって考えているぐらいです。

Y:黒は自分で買おうって思って入れてます。これが一番好き。

I:わかるなー。基本ソールが黒のものって似合わないんですよ。でも、これはちゃんと似合う。CONVERSEとかVANSの真っ黒とかのブラックソールは全部似合わなくて。これが唯一似合っているんで狙ってます。

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ブラックソールのC.QP


— 全体的なバイイングも自分の趣味趣向を重視しますか?

I:そうじゃないとやらないです。それじゃないやつを入れると見事に残るんです。

Y:すごい分かります。

I:自分はお客さんとしてはすごくいいお客さんなので、ブランドの営業の方に薦められるとつい入れちゃうんです。

Y:僕もそう。

I:お店でも店員さんに薦められると買っちゃうんです。「そうなんだ、これいいんだ」って。

Y:で、それをお店でも同じようにやっちゃうと売れない。

I:(笑)。

— 興味深いです。一明さんの趣向を好き好むお客さんが集まっているから?

I:うーんそうなのかな。やっぱり「こういうの着る人いるかな?」って気を使って店に入れているんで。見ていただければわかると思うんですけど、うち、どちらかというと変化球で勝負してるんですよ。

Y:そうですか? ベーシック+αって感じですけど。

I:普通に服を入れると売れないんですよ。

Y:一明さんのところはユニセックスを提案されてて、女性の方も気にしない洋服が集まっているなって思います。うちだと最近、メンズはメンズ、ウィメンズはウィメンズみたいな感じになっていて。中性的な感じが素敵だなって思いますね。

I:レイアウトで交ぜてるのもありますね。1番前にレディースがあるのに3番目にはメンズがある。普通は交ぜないですからね。女性もの、男性ものって分けた方が見やすいですから。レイアウトとしては間違ってる。

Y:うちも完全交ぜてます。

I:まーお店の広さも影響しますからね。




コンセプトがないのがコンセプト

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— セレクトするアイテムで気にしていることは?

I:価格と質のバランスが取れているかですね。もうお客さんもそうなっているんですよ。僕がアパレルの仕事をし始めた2000年ぐらいの時はサイズがあれば売れた。「MですLです」って言うだけで服が売れた時代なんです。

Y:あったあった。

I:Tシャツもロゴが書いてあってそれが読めれば売れた。

一同:(笑)

I:そしてファストファッションがきて。それで安くていいもの買えるんだってなった。たしかにこれはクオリティーが高いって思うシャツとかもある。

Y:ありますね。基本的にモノと価格のバランスは。人によっては「そのお店にファンがついていれば値段なんて関係ないよ」って言うんですけど、そんなことは絶対ないと思っていて。うちは生地とかデザインのバランスがちゃんとしていないと多分みんな手を出さないのかなって。

I:逆に言えば、それでネームバリューも関係なくなっているのはありがたいですけどね。ちゃんと服を作っているブランドがちゃんと受け入れられる。一方でハイブランドは名前に恥じないようなものを出さないといけないので値段が高い。そしてやっぱり質もレベルが高い。あとは、マニアックなところ。知る人ぞ知るみたいなところはお店として気になるかな。

Y:それはうちと共通してる。基本他ではやっていませんっていう。別に胸張れないんですけど、そこを胸を張って言う。俺のブランド(GROUPIE)だから、他でやってないんですよって。ところでお店のコンセプトってなんですか?

I:うち、基本的にコンセプトってないんですよ。立ち上げの背景的なところを言うと、結局自分がいいなと思えるものを正直に売りたかった。昔は自分がやりたいことを正直に仕事できていなかった。いいなと思ってないやつを薦めてるというのが嫌だったので。それが始めたのがきっかけ。

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吉村さん着用のFRIMUMのコート


Y:それわかります。

I:お店のコンセプトを強いて言えば「良いもの」かな。ベースとして価格とモノのバランスがうまくとれているもの。知らないものを薦めても納得して知ってほしいんですよね。で、最終的には駄菓子屋をやりたい。「おじいちゃんがいるセレクトショップめちゃくちゃ洒落てんじゃん」って言われるのが理想ですね。お店をやってきてほんの3年なんですけど、最近はもう一個お店出そうかなって。

Y:やっぱりそうなりますよね。

— お店の方からそういったことをよく聞きます。それは必然なんですか?

I:うーん、なんだろな。もっと見せたいんですよね。自分のやりたいことを。

Y:そうそう。

I:最初はサラサラそんな気はなかったんですけどね。次は全く違う発想のお店をやりたいなって思ってます。

Y:ちなみに僕がやりたいのは完全なレディースをやりたいなって。

I:すごいわかります。僕も完全なレディースのみをやってみたい。

Y:あとは出す場所をどこにするかっていう。次は1階にして、そっちはちゃんと人が入れるようにして、「実はあそこの元の店は3階にあるらしいよ」みたいな感じでやりたい。

I:フラッグショップみたい。隠れ家的な。いいっすね。それこそ某ブランドなんですけど、実は来季レディースちょっといれるんです。やっぱりレディースが強い。

Y:やっぱりそうですよね。基本そう。

I:またそういった違う形で新しいことやろうって思える。できたら面白いですけどね。

代々木上原編に続く







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store a

住所:東京都新宿区新宿1-24-1#102B
電話:03-6380-1358
時間:12:00-20:00(定休日.木)


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