私たちが若手ブランドに求める本当に必要な支援の話《水曜のケセラセラ》

FASHION 2017.05.17
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こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第32回目になりました。前回はROBE初の紙媒体、ROBE タブロイド issue.0 のお話でした。今回は先日行われた東京の若手ブランドによる販売会&ショー、TOKYO FANTASHIONについて。

東京でキラリ輝くデザイナー集団 Creators Tokyo


先週土曜日に有楽町の東京国際フォーラムで行われたイベントTOKYO FANTASHIONに行ってきました。このイベントは東京都、株式会社東京国際フォーラム、TOKYO FANTASHION実行委員会が主催する、若手ブランドの育成と発信を目的とした販売会です。ここに出展することができるのは、Creators Tokyoに参加しているブランドのみ。誰でも参加できるかというと、そんなことはないのです。



テキスタイル産地とコラボレーションした Creators Tokyoブランド 17AWアイテムの展示も
(上)HELMAPH & RODITUS
(下)5-knot...


Creators TokyoはTOKYO 新人デザイナーファッション大賞 受賞デザイナーによるチームのこと。繊維ファッション産学協議会、東京都、東京ファッション・ビジネス活性化実行委員会により2011年スタートしました。TOKYO 新人デザイナーファッション大賞では世界で活躍するポテンシャルのあるデザイナーの発掘、ビジネス支援が目的とされ、入賞には高いハードルがあるので、Creators Tokyo参加ブランド= TOKYO FANTASHIONに出展しているブランドは星の数ほどあるブランドの中でも選び抜かれたホープなのです。

会いに行けるデザイナー


Creators Tokyo参加ブランドは最長3年間に渡って、海外を含む合同展示会や販売の支援、商品企画のディレクション、産地とのコラボレーション、プレスルームの開設、経営・法律相談といったビジネス面での支援を受けることができます。TOKYO FANTASHIONもそのうちのひとつ。第6回となる今回は、前回よりも広いホールで計16ブランドによる販売会が行われました。



各ブランドはそれぞれ小さなスペースながらも過去のアーカイブやサンプル、新作などをたっぷり取り揃え販売。サンプルは70、80%オフのものもあったり、かなりお得にデザイナーズブランドの洋服を手に入れることができる貴重な機会でした。

今まではあまりイベント告知がされていなかったこともあり、混雑と呼べる混み具合はなかったのですが、今回は寒い雨が降っていたのにもかかわらず多くの人が訪れていました。ファッション好きの学生や比較的若い方が多く、印象的だったのは普段はなかなか会うことのできないデザイナーさんと緊張気味に話す方や、熱心に服を観察している学生らしき方など。


中には以前からファンだったけどどこで買えるかわからなかった、ようやく実物を見ることができたという方もいました。私も買い物をする時にかなり悩むのが、「欲しいものがあるのに買える場所がない」ということ。特に今はネットで情報をたやすく集められる時代。好きなブランドをインスタで発掘することが簡単になった一方で、買える場所がないというフラストレーションがどんどん溜まっていくのです(笑)

始まって間もない小さなブランドは資金力も無く、卸先もなかなか見つからない。ECをやるには人員が足りない、ITがそもそもニガテ、など色々な問題があります。当たり前ですが、いくらインスタグラムを頑張ったところで売る場がないと売れません。(でも売れないと売る場が作れないという無限ループ。)ファッションブランドの支援は様々な形で行われていますが、単純だけど売る場所を提供するという支援が意外に重要なのではないかな、と今回のイベントで思いました。来場者が服を手に取る瞬間のキラキラした瞳が、触れ合えることの喜びを物語っていたからです。

see HERE, buy THERE!?


イベントではMIDDLA、No, No, Yes!、ユキヒーロープロレスによるショーも開催。会場に設置されたランウェイをモデルが歩くという、言ってみれば普通のショーなのですが、異なるのは「買える」ということ。しばらくファッション業界の話題をさらっているSee now, Buy nowの形式です。


ユキヒーロープロレス



MIDLLA


ここでのショーは、販売会をすぐ隣でやっているという利点を生かし、スタイリングにその場で買えるアイテムを組み込んでいました。ショーを見たお客さんはそのままブランドのブースに行き、実物を近くでチェックすることもできます。ハンガーに吊るされているだけではあまりピンとこなかった服でも、着用シーンを一度見てしまえばイメージがつきやすく「着たら可愛い!」と思ってつい見に戻ってしまう、なんてこともあります。


MIDDLAで面白かったのが、See now, Buy nowをもじってsee HERE, buy THEREとうたっていたこと。ショーは会場で販売しているものに加え、伊勢丹新宿、日本橋三越 (5/15〜23 )、松屋銀座 (5/31〜6/5 )で行われるポップアップストアで販売される17 SSのアイテムを中心に演出しています。どうも“buy now”だと語感が強すぎて衝動買いのイメージがあるので、「ここでみて、そこで買ってね」という言い方はブランドからの優しさを感じました。SNSでもしっかり露出していて、見てから買える期間が長いのも良いですね。





実際に見て触って買える機会がいかに重要か、売り上げを見ないとなんとも言えないかもしれませんが、「ショー凄かったね」「あのブランドめっちゃいい」という声を盗み聞きできたという事実は、少なくともこうしたリアルイベントがブランドの認知に繋がっているのだということ。そしてその見て触れた体験が、お客さんの日常に落としこまれるかはブランドのクリエーションだったりPRの力量によるのですが、まずはその体験ができる場所を提供してほしいというのが、いち消費者の願いでもあります。

偉そうなことを書いてしまいましたが、素敵なブランドは有名無名に関わらず多くの人に着て欲しいので、ちょっとばかり大口叩かせてください。

text. Azu Satoh

Text&Edit : azu

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